episode 10 ページ10
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結婚式も無事に終わって数日、すっかりいつもの日常に戻った夕暮れ時やったかな。
重岡くん達は新しい事業展開がどうのこうの言うて、午前中から�霤弔�んの事務所に行ったっきり帰ってきてなくて。
Aちゃんはちょっとぐらいは運動しなきゃって言って、口うるさい廉を半ば無理やり連れて俺の代わりに夕飯の買い出しに行ってくれてて。
組員のおっちゃんらも珍しく出払っとったせいで、屋敷の中はやけに静かやった。
夏になる手前の、日が落ちかけると少しだけ肌寒く感じるような時間帯。
廉達が帰ってくるまでちょっとゆっくりしようかな、って台所から出てなんとなく縁側に向かった俺。
いつも重岡くんが座ってるイメージの強いそこに腰を下ろして、控えめに日差しを寄越す西日を浴びる。
わずかに感じるあったかさと、時々中庭を過ぎる冷ための風に目を閉じた。
特に考えごとがあったわけじゃないけど、ふとあの時のことを思い出して閉じてた目を薄く開く。
静かなせいかいつもより時間がゆっくりと進んでるような感覚の中で、おもむろにポケットから取り出したのは、
あの時拾った“ 指輪 ”
あれからなんとなく手放されへんくて、たまにぼんやりと見返してたそれ。
「……」
華奢なリングには、めちゃくちゃ小さな石が３つ並んでて。
微妙に色が入ってるようにも見えるその石は、ちゃんとキラキラしてんのに…
デザインのせいか、どっかそのキラキラ感を抑え気味なような気もして。
あの時に見たあの子の横顔が、ぼやっと脳裏に浮かんでくる。
華やかな見た目で、いかにもモテそうな雰囲気やのに…どっかこう、すごい脆そうな、そんな印象ばっか残ってて。
“ また会えるかな、”
ふいに、心ん中にそんな言葉が浮かんで、
「…フッ、」
思わず笑ってもうた。
ぶっちゃけ、この指輪をどうしても返してあげたいとか、そんな優しすぎる気持ちは持ち合わせてへん。
だから余計に、
なんでやねん、って自分で自分にツッコミを入れたくなって。
たぶん本気で会おうとしたら会えると思う。
あの時ホテルに出入りしてた人間なんて、淳太くんに聞いたらすぐ分かるはずやし。
でもそうしないのは…
なんでやろ、な。
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ナッチェル(プロフ) - 自分語りしてるようですみません...笑 何故人を思う気持ちは曖昧になってしまうんでしょうかね...今回は書かれていない所や立場毎の揺れも見れた気がします。次に私は何を感じるのかな。今からワクワクです。これからも応援してます！ (2020年10月3日 0時) (
レス) id: 68459828d7 (このIDを非表示/違反報告)
ナッチェル(プロフ) - 親友は今でも大親友なのですが笑、私の中であの時の寂しい苦しい温もりを求める気持ちは、曖昧で、確かに存在してたな、と振り返れたし、スッキリしました。時系列や立場、ニュアンスが違う所も様々あると思いますが、これまでより感情移入しました。なんか、長々と (2020年10月3日 0時) (レス) id: 68459828d7 (このIDを非表示/違反報告)
ナッチェル(プロフ) - 怖いほど書かれていました。あぁ、私は「もっと求めてほしくて、もっと一緒にいたかった」んだ、もっと求めてくれると思ってた、最後まで敵わなかった、って咀嚼出来ました。彼への依存は悩んでるうちにまぁいいや、ってなってお気に入りから連絡先を消して吹っ切れたし (2020年10月3日 0時) (レス) id: 68459828d7 (このIDを非表示/違反報告)
ナッチェル(プロフ) - 行ったり。大抵私からの誘いでした。あの時の「好き」とは違う感情で接してて、でも名前はつけられなくて、まさに「曖昧」でした。依存してたんだと思います。輪郭のなかった何かが吾君編を読んで少し見えたんです。大吾の心情、みぃさんのあとがき。当時の気持ちが (2020年10月3日 0時) (レス) id: 68459828d7 (このIDを非表示/違反報告)
ナッチェル(プロフ) - 私はずるかったなと改めて...。自分が賢いとは思いませんが、人の気持ちに気づいてしまう部分があるのでそこに共感したというか...その後2人は付き合って割とすぐ別れるんですが(おい！笑)、彼と私は仲良いままやり取りがダラダラと続いて、たまに2人で遊びやご飯に (2020年10月3日 0時) (レス) id: 68459828d7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みぃ
| 作成日時：2020年9月19日 12時
