episode 11 ページ11
＊
輪郭をなくした西日がわずかに残したオレンジ色の光に、そっと指輪をかざす。
内側にあるのは素材を示す「925」の刻印だけ。
イニシャルとかが入ってないってことは、特別な贈り物ってわけではないんかな…？なんて、しょうもない想像をしてたら、
「あっ！」
聞き覚えのない声が静かな屋敷に響いた。
「えっ、」
声のした方を振り返ってみたら、あまりにびっくりしすぎて言葉にならないそんな声がポロッと口からこぼれ落ちた。
だってそこにおったのが、今まさに俺の頭の中を占めていた“ あの子 ”だったから。
「えっ、なんで？」
俺に負けず劣らずのくりっとした瞳を大きく開いた“あの子”が、その場で立ち尽くしながら聞いてくる。
いや、それを聞きたいのは俺の方やねんけど。
だって俺、ずっと“ この子 ”の指輪を眺めててんで？夕暮れの縁側で、しかも１人で。
誰もおらんからそんなんしてたのに、なんでよりによって…なんて、びっくりしたと同時にものすごい焦りに襲われた。
「いや、てか…え？」
焦りに押されて次から次へと口から出てくるのは、そんな言葉になってないバラバラとした音ばっかりで。
「えっと…誰？」
その質問を投げかけるまでに、だいぶ時間がかかった気がする。
なのに、
「いや、その前に、それ…」
ようやく言えた俺の質問は軽く弾かれて、話の主導権はいとも簡単に“ あの子 ”が握った。
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ナッチェル(プロフ) - 自分語りしてるようですみません...笑 何故人を思う気持ちは曖昧になってしまうんでしょうかね...今回は書かれていない所や立場毎の揺れも見れた気がします。次に私は何を感じるのかな。今からワクワクです。これからも応援してます！ (2020年10月3日 0時) (
レス) id: 68459828d7 (このIDを非表示/違反報告)
ナッチェル(プロフ) - 親友は今でも大親友なのですが笑、私の中であの時の寂しい苦しい温もりを求める気持ちは、曖昧で、確かに存在してたな、と振り返れたし、スッキリしました。時系列や立場、ニュアンスが違う所も様々あると思いますが、これまでより感情移入しました。なんか、長々と (2020年10月3日 0時) (レス) id: 68459828d7 (このIDを非表示/違反報告)
ナッチェル(プロフ) - 怖いほど書かれていました。あぁ、私は「もっと求めてほしくて、もっと一緒にいたかった」んだ、もっと求めてくれると思ってた、最後まで敵わなかった、って咀嚼出来ました。彼への依存は悩んでるうちにまぁいいや、ってなってお気に入りから連絡先を消して吹っ切れたし (2020年10月3日 0時) (レス) id: 68459828d7 (このIDを非表示/違反報告)
ナッチェル(プロフ) - 行ったり。大抵私からの誘いでした。あの時の「好き」とは違う感情で接してて、でも名前はつけられなくて、まさに「曖昧」でした。依存してたんだと思います。輪郭のなかった何かが吾君編を読んで少し見えたんです。大吾の心情、みぃさんのあとがき。当時の気持ちが (2020年10月3日 0時) (レス) id: 68459828d7 (このIDを非表示/違反報告)
ナッチェル(プロフ) - 私はずるかったなと改めて...。自分が賢いとは思いませんが、人の気持ちに気づいてしまう部分があるのでそこに共感したというか...その後2人は付き合って割とすぐ別れるんですが(おい！笑)、彼と私は仲良いままやり取りがダラダラと続いて、たまに2人で遊びやご飯に (2020年10月3日 0時) (レス) id: 68459828d7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みぃ
| 作成日時：2020年9月19日 12時
