時間 ページ22
三宮葵衣side
｢おい、三宮。｣
｢はい、何ですか？桐山君。｣
30分前、会議が終わって、私が資料を鞄にしまおうとしたところ、いつもとは少し様子が違う桐山君に話し掛けられた。
……会議で私なんかしたかな？
いつもの雰囲気の異なる彼は黒渕眼鏡をクイッとあげると、無愛想に
｢……５時20分。俺の教室に来い。話がある｣
と簡潔に言った。くるりと私に背を向け、カツカツと歩いて行く桐山君。
残された私は、訳が分からないまま放置されたのだった。
その30分前の出来事を振り返り、
(……話？５時20分？桐山君の教室に？)
何故？会議のこと？テストのこと？会計のこと？
頭に大量の疑問符が浮かび、爆発しそうになる。取り合えず、靴を戻し、スマホの電源を入れた。
ブォン…という音と共に、スマホの画面がつく。私は素早くロックを外し、時間を確かめた。
｢５時、13分…って、あと７分！？｣
桐山君の教室は確か３階の一番奥。早く行かないと、また遅刻だって怒鳴られる！？
私は急いで、階段をかけ上る。
バサバサとツインテールが顔にかかり、痛いが無視して一段飛ばししようとした、
｢葵衣さんッ｣
その時だった。顔を上にあげると、そこには息を切らして、苦しそうに笑う【網谷優鶴】ちゃんが居た。彼女のふわふわな髪が僅かに乱れていた。
あれ？優鶴ちゃんって先に帰った筈じゃ…
私の考えを見透かしたように、優鶴ちゃんが言う。
｢葵衣さん。帰る約束したのもう忘れちゃったんですか……？私、だから捜していたんですけど…｣
｢か、帰る、約束……｣
コクコクと縦に首を振る優鶴ちゃんを見て、私は思い出した。そう言えば、放課後に一緒に帰ろうって言われたんだっけ？
｢そうだったね。｣
そう言いかけて、私はやめた。スマホを見れば、あと３分。桐山君が待っている、でも、優鶴ちゃんと約束した。
私はその両方を天秤にかけ、優先すべき方を選んだ。
｢……ごめんね、優鶴ちゃん。｣
｢え？｣
彼女が驚き、言葉を止める。私は申し訳ないと思いながら、彼女を通り過ごした。
｢桐山君との話が終わったら、帰ろ！｣
そう言った。それが間違いであり原因であったのかもしれない。
小さく、優鶴ちゃんが何かを呟いた。
｢……せない｣
｢優鶴ちゃん？｣
「ダメなんです」
次の瞬間、私は、階段から真っ逆さまに落ちていた。
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ネリエル@リリス(プロフ) - その友達さん» その友、ありがとう(*^^*)他の作品の更新も頑張って、完結させるよ！ (2015年8月18日 12時) (
レス) id: fe439ec553 (このIDを非表示/違反報告)
その友達 - ネリエル@リリスさん» 遅れたけど完結おめでとう！！最後のほうとってもこわかったよ...。そして、おもしろっかた！！他の作品の更新、がんばってね！ (2015年8月17日 20時) (レス) id: 9d4239f958 (このIDを非表示/違反報告)
ネリエル@リリス(プロフ) - 紅侍@先輩がイケメンすぎて辛いさん» ありがとうございます、もうそんな風に言っていただけて嬉しくて泣きそうです(涙)私の方こそ、紅侍さんのような素敵な読者様に読んでいただいて本当に良かったです！ (2015年8月15日 21時) (レス) id: fe439ec553 (このIDを非表示/違反報告)
紅侍@先輩がイケメンすぎて辛い(プロフ) - ネリエル@リリスさん» 別に、作者さんの好きなところで終わればいいと思いますよ?本当に、最後までとても面白かったし。この作品の読書になれて、嬉しいです！ (2015年8月15日 17時) (レス) id: d64dcfdbce (このIDを非表示/違反報告)
ネリエル@リリス(プロフ) - 紅侍@先輩がイケメンすぎて辛いさん» コメントありがとうございます。紅侍@先輩がイケメンすぎて辛いさん、あまりお話が続かなくてすみませんでした(._.)ネタがきれてしまいまして……でも、無事に完結できて良かったです。摩訶不思議なお店屋さんを読んで頂き本当に感謝しています！ (2015年8月15日 16時) (レス) id: fe439ec553 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ネリエル＠リリス x他1人 | 作成日時：2015年6月3日 17時
