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あたしはその後、どうやって病室に戻ったか全く覚えていない。
貴利矢が周りにいた看護師や医師などにペコペコと頭を下げて回っていたのはなんとなく覚えている。
それ以降、何も思い出せないのだ。
ふいに、あたしの頭に単語が浮かんだ。
いや、単語というよりは、名前?
誰かの、名前なのか?
「…[クリエイト]…」
その瞬間、貴利矢が振り返った。
「何、クリエイトって?」
「あたしにも、わかんない…。ぼんやり、でも、いきなり浮かんできた単語だったから…。」
「ふーん…」
あれから貴利矢は、あたしの暴走がいつ起きても抑えられるように、ずっとそばに居てくれている。
流石に文句は言えないし、言ったら可哀想だから、抑え込んでいる、というのが現状。
「…ねぇ、A」
いきなり話しかけられてびっくりしたけど、あたしはなるべく平然を装って返事をした。
「…何?」
「今さぁ、なんか不安とか、モヤモヤとかある?」
あまりに急すぎる。と思いつつも返事をする。「…いや、別に?」
すると貴利矢は、
「…そっか。ならいいや、さんきゅ」
と、のんきに返事をしたっきり、パソコンに目を戻し、キーボードを打ち始めた。
この時あたしは、まだ自分の身にこんなにも危険な事が起きている事を知る由もない。
自分の身の危機を知ることになるのは、また別のお話。
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海苔川ばなな - ニコさん» コメント遅くなってしまい申し訳ありません!読んで下さって有難う御座います!文章変かもしれないんですが、読んで下さると嬉しいです! (2018年6月26日 8時) (レス) id: a8889f40a6 (このIDを非表示/違反報告)
ニコ - すごく面白かったです!続き待ってます! (2018年6月25日 23時) (レス) id: 50ca3fafb3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:海苔川ばなな | 作成日時:2018年6月25日 2時