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大嫌いなアイツ。 ページ3

「あれ…?」
視界に入ってきたのは、眩しい日光と真っ白な天井だった。
「あ、目、覚めた?」
「!?」
すぐ隣で聞こえた、聞き覚えのある声。
「九条、貴利矢…。」
「大正解♪よく分かったね?」
「…うるさい。…ってか何でここにいんの?早く出てって…」
起き上がってすぐ耳に入ってきたのは、あたしの大っ嫌いな幼なじみ、九条貴利矢の声だった。
顔は悪くないし、優しい。ただあの回りくどい感じの喋り方と年柄年中アロハシャツを着ている季節感のない格好をどうにかしてくれれば彼氏にしてもおかしくないのになぁ…
あたしがそんな事を考えていると、貴利矢が不満そうにあたしの顔を見て言った。
「えぇー、なにその素っ気ない態度。せっかくあの大雨の中倒れてたの助けてあげたのになぁ…貴利矢くんショック…」
「お前は6歳児じゃないだろ…馬鹿なことしてないで、早く仕事に行けよ」
貴利矢は不満と心配が入り混じった目であたしを見ると、トレードマークの赤いレザージャケットを肩にかけ直し、丸いサングラスをかけてあたしの頭を優しく撫でて言った。
「分かった。じゃあ言う通り、仕事に行くわ。まだ途中だしね。でも、少しでも体調悪くなったらすぐにナースコールを押せよ?Aはすぐ抱え込んじゃうからさ、な?」
あたしは頷くと、すぐに強気で返した。
「言われなくても分かってるし…あとそのジャケット、着るか脱ぐかどっちかにすれば!?」
思わず怒鳴ってしまった。すると貴利矢はニヤリと笑い、
「そこまで元気があるなら大丈夫か。ま、Aは元々体とメンタル、どっちも強いから大きなお世話だったか?w」
あたしはかっとなって、
「うるさい!大きなお世話なのは合ってるけど、メンタルは弱いし!早く出てけ!」
貴利矢はそれでもニヤニヤ笑って、
「はいはい」
と、部屋を出て行った。
「ったく、アイツと一緒にいたらホント調子狂う…」
そのとき、ドアからノック音が聞こえ、そのあと「失礼します」という少し控えめの声が聞こえてきた。

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海苔川ばなな - ニコさん» コメント遅くなってしまい申し訳ありません!読んで下さって有難う御座います!文章変かもしれないんですが、読んで下さると嬉しいです! (2018年6月26日 8時) (レス) id: a8889f40a6 (このIDを非表示/違反報告)
ニコ - すごく面白かったです!続き待ってます! (2018年6月25日 23時) (レス) id: 50ca3fafb3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:海苔川ばなな | 作成日時:2018年6月25日 2時

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