登校 ページ28
朝起きて、真っ先に今日の予定を確認する。
そこには、大きく『ナル子ちゃんと登下校』と書かれていた。
よっぽど嬉しかったんだろうなぁ、私。
「っと、早く準備しなきゃ」
朝食を作って即座に完食すると、食器などを洗う。
慌ただしく家事をしていると、約束の時間まであと少しになっていた。
鞄を引っ掴んで、部屋から出て鍵をかける。
いってきますと小さくつぶやいて、エレベーターまで走った。
約束の場所にはすでにナル子ちゃんがいて、私に気づくと手を振ってくれた。
「お待たせ、ナル子ちゃん」
「おはようAちゃん。さ、行きましょっ」
楽しそうに微笑んで、ナル子ちゃんは先を歩き出す。
小走りで追いかけて隣に並ぶと、ナル子ちゃんは車道側に移動して右手を差し出した。
ナル子ちゃんの右手に左手を重ねると、ほんのりと温かさが伝わる。
手が温かい人は心が冷たいっていうけど、ナル子ちゃんの心は温かいから関係ないよね。
「ところでAちゃん、八月公演の打ち合わせしてたんでしょ?どうだった?」
「あー…。今回は、一年生が主演の学園恋愛モノに決まったよ。
木田先輩や私の後釜を探すためにそうするんだって」
「あら、じゃあAちゃんは出ないのね?」
首を縦に振ると、ナル子ちゃんは顎に手をやった。
「そう…。まあ、見に行くわよ」
「本当?ありがとう、ナル子ちゃん!」
間で揺れる手の温度が上がっていることに、二人は気付かない。
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ふぉーる@あんスタ民(プロフ) - Renさん» この作品まで読んでくれてるとは…ありがとうございます!頑張りますね♪ (2016年3月3日 0時) (レス) id: e8157d34f2 (このIDを非表示/違反報告)
Ren(プロフ) - 更新楽しみにしてます!! (2016年3月3日 0時) (レス) id: fb3e3617f8 (このIDを非表示/違反報告)
暁 - 結弦の毒舌ワロタww (by25p) (2016年2月28日 1時) (レス) id: 50623d36ac (このIDを非表示/違反報告)
猫大好き娘カナタ(プロフ) - 凜月くんがいいでーす (2016年2月16日 21時) (レス) id: f4ce0a0d3b (このIDを非表示/違反報告)
ウミユリ(プロフ) - 演劇科の島崎優雅君でしたっけ……?ロミオ役の子がライバルだといいなーと思います|´-`)チラッ (2016年2月16日 19時) (レス) id: 99c69c867f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ふぉーる@あんスタ民 | 作成日時:2016年2月7日 1時