黒魔術少女とアイドル魔法使い【逆先夏目】

1.ふつー+a ページ1

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どうも、こんにちは。
七瀬Aと申します。


私の家庭は極ふつー。

並み程度の生活と両親からの愛情。
いや高校は私立の音楽科に通ってるから、少し裕福か。



いつも通り、家の玄関を開け
ただいま、と呟く。


靴を脱ぎ、並べて置く。


自分の部屋へと続く階段を上ろうとしたその時……




「きゃぁああああ！！！」


甲高い女性の声。
聞き間違えることなんてない、紛れもなく母の声だ。



とりあえず、母の悲鳴が聞こえた部屋へと向かう。


地下へと続く隠し扉を開け…

そう、もうこの時点で可笑しいのだ。


地下のある家なら、そりゃあるだろう。
しかし、“隠し扉”がある家なんてあるだろうか？




はぁ…とため息を吐きながら、ドアノブを捻る。


扉を開けた瞬間、熱風が全身を襲う。

ぎゅっ、と目を瞑り、ゆっくりと眼を開く。




目の前には、相も変わらず恋する乙女のように悲鳴をあげる母。

高揚した表情で何かぶつぶつ呟きながら紙にペンを走らせる父。






「ぎゃぁああああああああああああ」



真っ黒の体で口から火を吹くドラゴン。






もう一度言おう。


私の家庭は極ふつー。








表面上は。



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ー設定ー

七瀬＜ﾅﾅｾ＞ A
*私立高校音楽科1年。
*両親は黒魔術の研究者。
*前髪が長く、眼が隠れるほど。
*現実逃避しまくり少女。


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