噂の古本屋【ヒプマイ】

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「Aちゃん、そろそろ店を閉めましょ」



外を見ると、もう薄暗くお客さんも来そうにない。



「そうですね。じゃあ看板替えて来ます」



プレートを『OPEN』から『CLOSED』に変える。



なんかこれ薄汚くなってきたな。今度新しく買おう。



「こんばんは」



振り返ると見知った顔の警察官がいた。



「あ、入間さんですか。何か御用でも……」



「何も用はありませんが、近くに来たので挨拶でもと。


今日はもう店を閉じるんですか？」



「まだ大丈夫ですよ」



まあ店長の事だから大丈夫だと思う。



「じゃあ店長呼んで来ますね」



「いえ、今日は大丈夫です」



あ。大丈夫ですか。



「そういえば左馬刻さん達はお元気ですか？」



「えぇ。もう手につかない程元気が有り余ってますよ」



わぁ、子供を持つ母親の心境だ。ご苦労様です。



「あぁそれと、左馬刻が会いたがってたので今度会ってやって下さい」



んん？……左馬刻さんが？



「あ、ああ！はい、合歓ちゃんですね！」



『左馬刻(の妹)が会いたがってたので今度会ってやって下さい』


って事ですね多分。きっと。



左馬刻さんは色々と絶対的になんか違う気がする。



会いたがるなんてとても想像出来ない。



「……え？」



「どうしました入間さん？」



「……いえ。そういう事にしておきましょう」



「……え？何をですか？」



何故かイマイチ会話が噛み合ってなかった。



「何でもありませんよ、最近変質者が相次いで現れているようです。


気をつけて下さいね」



「そうなんですか……気をつけます」



最後に警察官らしい事を言って、入間さんは帰って行った。



最近変質者が多い気がするのは気のせいか。

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