19.最後の惨め ページ19
そして、当日の日曜日。
『……んー……はぁ……』
ベッドから起き上がり、欠伸をする。
眠たいなぁ……でも休日だしゆっくりしたい。
……あ、今何時だろ。
近くにあった目覚まし時計に手をつけて、目の前におかせる。
そこには、9:45の文字。
現在九時四十五分だ。
……ん?九時四十五分???
あれ、まって、今日一緒に遊園地にいく日じゃん!!
えっと!?駅に10時集合でしょ!?
や、ややややべええええええ!!!
今寝起きだよ!?
急いで準備しないとっ……!!
***********
『は、はあっーご、ごめっ……お、おそくっ……はあっ……』
「ちょ、走ってきたの?大丈夫?」
「これで全員揃ったね」
「おおー、全員集合!!」
走って走って走りまくってついた駅には、見慣れないものすごく可愛い女の子が一人。
あぁ、この子が……って。
ん?
言わずもがなモテモテの相川くん。
学校一爽やか系イケメンで有名な天宮さん。
そして今目の前にいる可愛い女の子。
『か、カエッテイイデスカ……』
「だ、大丈夫!?うん、遊園地なんていかなくていいよ、僕と……」
「ちょいちょい!!勝手に帰るな二人とも!!」
魂が飛び出てそうになった私を一番に心配してくれた相川くん。
二人で帰る雰囲気になるかと思ったら天宮さんがそこをすかさず止めた。
「初めまして!真冬くん!Aちゃん!あまちゃんから話は聞いてるよ!
私は響希棗、よろしくね!」
「よろしくお願いします」
『よ、よろしくお願いします……』
ひ、響希さん。
スマートに挨拶をする相川くんとは違って、私はおどおどとしながら挨拶を返す。
「さぁて、じゃあ早速行こうか!」
「Aちゃん、走ってきたの?髪が乱れてるよ」
『えっ、あ、ご、ごめん……!』
「ふふ、僕が直してあげる」
「おーい二人の世界にはいるなー!!」
急に天宮さんに止められて相川くんに直してもらう時間もなく電車に乗る。
やはり天宮さんと相川くんの影響だからから、電車内の空気は女子の歓喜に包まれていた。
そりゃそうよね……。
だって二人ともかっこいいし。
「あの二人めっちゃかっこよくない?」
「それなー?彼女いるのかなあ……」
「てか、あの二人の近くにいる女の子もかわいくない?」
「あーでも、あの端っこの子のはちょっと……」
やっぱり、最終的に惨めになるのは私だ。
ぎゅっ、と、今日着てきたワンピースの裾を掴んだ。
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いるよ - あああああああああああ!!!最高です!!なんか最後のところ泣いちゃいましたwヤンデレにハマってしまった…素敵な作品ありがとうございました! (2022年12月7日 0時) (レス) @page45 id: 7464634473 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこ - とてもよかったです!その後話がもっと欲しい! (2022年3月9日 1時) (レス) @page45 id: 5ad0b4ef6a (このIDを非表示/違反報告)
月次 - 僕の好みどストライクのヤンデレです!とっても面白かったです。これでもっと想像の幅が広がる…!ありがとうございました! (2021年3月28日 9時) (レス) id: 34cc41e784 (このIDを非表示/違反報告)
一ノ瀬かるら(プロフ) - 心臓が泣き叫んでおります大歓喜 (2020年8月23日 0時) (レス) id: 018ad8bd5d (このIDを非表示/違反報告)
鶯餡(プロフ) - 雨月冷さん» 本当にいつもありがとうございます……!!マーライオンwwwそのくらい泣いてくれたんですね!嬉しいです!私も目からマーライオンです!はい!楽しみに待っていってください! (2020年2月25日 7時) (レス) id: 6bb0fe0dd0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:鶯餡 | 作成日時:2020年1月6日 22時