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『何でも、ないわよ……』
やっとして出たのは、こんな言葉だけだった。
まるで、優を拒んでいるような言葉。でもこれが、私の精一杯だった。
彼の表情が見えない。表情など見たくもなかった。
目線をプイッとそらして、まだ光の差す窓を見やる。
それは眩しくて、輝いていた。
優の部屋は、こんな光が当たる場所にあるのね。
「___俺、前に「会いたい人がおった」って言いましたよね？」
そう問い掛けられて、彼の方向を見る。
彼の唇はほころんでいて、光に当たったまま微笑んでいた。
「それ、実は浦田さんなんですよ」
『____え？』
渉？会いたい、人が……？
「俺と浦田さん、あと他二人とで、隣の国に暮らしとったんです。
そんで、浦田さんは勉強したいってなって、俺たちと関わる時間が減ってきました」
……何よ。あいつ勉学のためになにかを捨てられますか？って私に聞いておいて、
共に暮らしている人は捨てられるのね……。
「で、浦田さんが教師の資格をとって、皆は大喜び。俺らはまた共に過ごせるんや！ってなったとき、浦田さんが家庭教師になるってなったんです
その先が銘崎家でした」
銘崎、家……。
また、うちの家がもんだいなんだわ。
そらるだって、私の家のせいで人生が崩れたも同然だもの。
「___俺、浦田さんが大好きやったん。お兄ちゃんみたいで、いつもしっかりしてて。離ればなれが嫌になった俺は、唯一できる武力を伸ばして、騎士団まで上がりました」
……騎士団まで上がってまで、渉に会いたかったのね。
でも、残りの二人はどうなるの？
取り残されて、置いていかれて。
「残りの二人は、いまどこにいるか、おれらもわかりません。でも俺らは、後悔してます。目の前だけ見て、置いていってしまう人を見落とした。
だから、A様にはそんなことしてほしくないんです」
瞳が、真剣に変わった。
そんなことって、置いていくこと？
置いていくも何も、私は別に……｡
「皆、A様を大事に大事に思っとるんですよ。
浦田さんも、そらるさんも、もちろん俺も……。そして、真冬も」
_____何が大事よ。
何も話してくれなかったくせに。
怒りが沸々と沸き上がってくる。
そんなこと言って、子供をあやすみたいな気分なんでしょう？
誰も彼も、私のことなんか、信用していないのに
「貴方の進みたい道をいけばいい……だけど、貴方を大切に思ってる人の気持ちも考慮してほしい……ってことなんです」
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ちょこ - とてもよかったです！結ばれたあとのお話が欲しいです！ (2020年1月15日 20時) (
レス) id: 1b1d47c664 (このIDを非表示/違反報告)
鶯餡(プロフ) - mokoさん» ありがたいです……！！！ですけど、きちんとお目目休めてくださいね！……ありがとうございます！！頑張ります！(Ｏﾟ皿ﾟＯ) (2019年10月3日 23時) (レス) id: 6bb0fe0dd0 (このIDを非表示/違反報告)
鶯餡(プロフ) - 絆さん» はい！やから始まってので終わる鶯餡です！ありがとうございます！！！！私ハッピーエンド主義者なので、そこ思いが伝わっていましたらとても幸いです！はい！頑張ります！(返信遅れて誠に申し訳ございません……) (2019年10月3日 23時) (レス) id: 6bb0fe0dd0 (このIDを非表示/違反報告)
moko - 最初から最後まで１日で読みきってしまいましたww次の日学校なのにオールしましたwwすっごい面白かったです！これからも頑張ってください！応援しています♪ (2019年9月30日 5時) (レス) id: 711f63988a (このIDを非表示/違反報告)
絆 - やからはじまってので終わる鶯餡さん！！鶯餡さんの作品大好きです！！鶯餡さんの作品はどの作品を読んでいても心が暖かくなります！これからも楽しみにしています！無理はなさらないでください！ (2019年9月7日 19時) (レス) id: da343c4ed4 (このIDを非表示/違反報告)
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