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18話 ページ19

その後、取材を続けると言った自来也と途中で別れて歩き出す。
木の葉の大通りを一緒に忍術の話をしながら歩いていくと、ちょうど大きな建物が見えてきた。

「…!」
「?どうしたの?」

立ち止まったイタチの目がいったのは、建物の前で話し込んでいる数人の大人。
正確にはその中の1人、指示を仰がれている隊長だ。
首を傾げたAはそのまま建物を見上げて、掲げられているマークを目にする。
手裏剣に団扇が組み合わせられたマーク…木の葉警務部隊のものだ。
団扇がイタチの纏う背にも描かれている事は既に見慣れているから、Aは再び視線を大人たちへ戻した。

「ん…?隊長あの子たちはひょっとして」
「…イタチか…」

幼い視線が隠す事なく集中すれば気がつくもので、数人の内の誰かが最初に声を上げる。
隊長と呼ばれた男は腕組み状態のまま顔だけを向けてイタチを捉えて名を呼んだ。
それを合図にイタチは横のAに合図して一緒に駆け出す。
目の前まで辿り着けば、腕組みのまま見下ろされた。
厳格な姿勢と表情を崩さない男が誰なのか、聞かずとも隣のイタチが「父さん」と答えた事で分かった。

木の葉の治安を護る警務部隊の中心を担うのはうちは一族。
その隊長であり、また現うちは一族の長でもあるうちはフガクはイタチの父だ。
幼心に理解しながら、「こんにちは!」と挨拶したAに視線がいった。

「この子は、お前の友達か?イタチ」
「うん。オレの友達、Aだよ」
「波風Aです!はじめまして!」
「…そうか」

相変わらず向けられる瞳は冷静さと厳しさを変えなかったが。
イタチとAの双方から肯定された、友という単語には言った本人でありながらも驚きを見せる。
が、冷静な表情に戻ると「仲良くな」とだけ何事もなく言い告げた。
イタチはそんな父へと袋を差し出して、「母さんから頼まれたもの」と紡ぐ。

「温泉卵か、ご苦労だったな」
「警務部隊で食べるの?」
「ああ、たまにはなと話題に上がったんだ…忙しくて買いに行く暇も無くて助かった」
「忙しい?でも今は平和になったのに」
「戦を終えて平和になったからこそ生じる争いというものはある」
「……」

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作者ホームページ:http://なし  作成日時:2017年6月17日 0時

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