【完結】あのね、ずっと好きでした。【KY】

5話 ページ5

｢今日ありがとう！ご飯もご馳走様でした｣
｢いえいえ。楽しかったぜ｣

あれからご飯を食べ終わり、家まで送ってもらった。
キヨ兄ちゃんはこっちの大学に通うので今は実家に住んでいるらしい。
キヨ兄ちゃんと私の家は、数軒挟んだ程度なのですぐに会いに行ける。
私は何回もキヨ兄ちゃんを振り返りながら家の中へと入っていった。
こっそり覗き穴をみると、キヨ兄ちゃんは私が家の中に入ったのを確認すると車を動かした。

｢はぁあ…キヨ兄ちゃんかっこよくなったなぁ…｣

幼い頃のキヨ兄ちゃんと、今のキヨ兄ちゃん。
あんまり変わってない。
とくとく、と心臓はまだ早い。
幼い頃、キヨ兄ちゃんに抱いていた恋心。
やっぱり、あれは私の初恋だ。
もし、もし、今キヨ兄ちゃんに彼女が居なかったら…告白してみようかな。
自室にて私服に着替え、ベッドの上に寝転がる。
LINEを開き、キヨ兄ちゃんとのトーク画面を開く。

｢えへへ、好きな時に通話も出来ちゃうんだよね…｣

そう、私がこのボタンをポチッと押してしまうとキヨ兄ちゃんへ電話をかけられる。
なんて便利な世の中…。
そっと電話マークを押すふりをして、じたばたとあばれる。
やだもう…なにしてるんだろ。
と、スマホをみるとキヨ兄ちゃんへと電話を掛けているスマホ画面。
ん！？
じたばたと暴れた手が当たった！？
うそ！ど、どうしよう！！
慌てて切ろうとスワイプすると、

＜もしもし？＞

ああああキヨ兄ちゃんでちゃったああ！
早くない！？電話でるの早くない！？
あたふたとしながらも、スマホを耳にあてる。

｢あ、あの！ごめんね間違えてかけちゃって…！｣
＜なに？寂しくなっちゃった？＞
｢さび、しくはないけど、キヨ兄ちゃんと久しぶりに話せたのが嬉しくて…トーク画面みてたら通話ボタン押しちゃったの｣

素直に思った事をいうと、キヨ兄ちゃんは少し黙った。
ウザかったかな…と、少し落ち込みそうになったけど勘違いだったようで。

｢じゃあ今からお前ん家行くわ｣

ピロンと切れる通話。ほんとに来るの！？
急いで部屋を片付け、リップを塗り直す。
乱れた髪を整えて玄関へ向かう。
と、数秒後にインターホンが鳴り響く。
ゆっくりドアに近づき、玄関のドアをあけると。

｢よっ｣
｢ほんとに来てくれたんだ…｣
｢行くって言ったべ？ゲームすんぞ！｣

と、キヨ兄ちゃんはお邪魔しまーす！声高々に言うとリビングへと向かった。
私がゲームにぼろ負けしてキヨ兄ちゃんが爆笑した時本当に殺意湧いた。

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