4話 ページ4
「キヨ兄ちゃん…?」
恐る恐る声をかけると、女子生徒よりも頭一つ分大きい男性がこちらをみた。
私を見つけると、嬉しそうな…いやホッとしたような顔をして女子生徒の波を縫って私の方へと歩いてきた。
「迎えに来た。飯なにがいい?」
「え、えっとあの…」
「あの、連絡先とか聞いても…!」
と、群がっていた女子生徒の内の1人がキヨ兄ちゃんに声をかけた。
「わりぃけど知らない人と連絡先交換したくねぇから」
ピシャリ、と冷たくあしらうと私の肩に手を回しぐいぐいと車の方へと歩かせる。
早足すぎてコケそう…!!
そのまま助手席のドアが開き押し込まれる。
朝と同じだ。
と思っているとキヨ兄ちゃんが運転席へと乗り込み発車させた。
お互い喋らず、ただ黙っているとキヨ兄ちゃんが口を開いた。
「昼飯さ、俺が選んでいい?」
「え?うん、いいよ」
キヨ兄ちゃんはおっけーとわらった。
やっぱり、かっこいいなぁ…。
あ、そういえば。
「ねえいつこっちに帰ってきたの?」
「あ?あぁ。高校卒業した後こっちの大学入ったんだよね。んで、大学落ち着いたから実家とお前に挨拶行こうと思って。帰ってきたの2日前かな」
「そうだったんだ…じゃあこれからずっと会えるね!」
キキッと、急に車が止まりシートベルトがお腹に食い込む。
さっきまで急ブレーキなんて踏まなかったのにどうしたんだろ?っとキヨ兄ちゃんをみると、車のエンジンを止めた。
「着いたぞ」
ぶっきらぼうにキヨ兄ちゃんはいうと、シートベルトを外しさっさと車から出ていってしまった。
どうしたんだろ…?と思いつつ私も車から出た。
早足のキヨ兄ちゃんを小走りで追いかけていくと、洋風なお店の中へと入っていく。
「いらっしゃいませ〜2名様ですか?」
と、綺麗なお姉さんに案内されテーブル席に通される。
中はイタリアンのお店っぽくて、学生の私と友達じゃ普段は入れないような高そうなお店だ。
「好きなの選べよ。奢るから」
「えぇ!?そんな悪いよ…」
キヨ兄ちゃんからメニュー表を受け取り、料理の横に書いてある数字を2度見する。
キヨ兄ちゃんはそんな私をくすくすと笑うと、俺が連れてきたんだから奢らせて。
と、なんとも大人なセリフを私に言った。
「じゃあ…その…これ、いいですか…」
「いいですよ。所でデザートにこれどう?」
と、キヨ兄ちゃんは1番高いデザートを指さしたが申し訳なさすぎて半泣きで首を振るとキヨ兄ちゃんは大爆笑していた。
なんだこのいじめっ子。
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*:まりな:*(プロフ) - 夢吏ちゃんさん» レスありがとうございます!通知溜まりすぎで…完結した時すぐに見れなくてごめんなさい!お気に入り作者にも登録しました!…結構前だけど…。これからも頑張ってください!1ファンとして応援してます! (2020年5月26日 16時) (レス) id: ce0c123210 (このIDを非表示/違反報告)
夢吏ちゃん(プロフ) - *:まりな:*さん» ありがとうございます…!!えへへそんなに褒めて貰えて嬉しいです!ありがとうございます!次作でもお会いできたら嬉しいです! (2020年5月25日 17時) (レス) id: 83cad32c9a (このIDを非表示/違反報告)
*:まりな:*(プロフ) - わああああ!完結おめでとうございます!はぁもう…泣きました。(これほんと)タメ口やばいと思いましたか?私は思いました。知らねぇよ。いやー、なんかもう…満足です!作者さん!愛してる!ぶちゅ (2020年5月21日 23時) (レス) id: ce0c123210 (このIDを非表示/違反報告)
夢吏ちゃん(プロフ) - 甘党。さん» 初めましてコメントありがとうございます!ずっと見て頂いてたんですね…!甘党。様が見て下さっていた1hitが凄く励まされました…!次の小説も近々公開しますので…!自作でも応援のほどよろしくお願い致します! (2020年1月12日 4時) (レス) id: 83cad32c9a (このIDを非表示/違反報告)
甘党。(プロフ) - 完結おめでとうございます…!今までコメントはしなかったんですけどずっと見てました!次の小説も全裸待機させていただきますね^ ^ (2020年1月5日 10時) (レス) id: 93d0b6d41e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:夢吏ちゃん | 作成日時:2019年5月6日 10時