【完結】あのね、ずっと好きでした。【KY】

3話 ページ3

｢わあああ間に合ったああ｣

まだ他にも登校している生徒が数人いる。
車から降りてキヨ兄ちゃんに声をかける。

｢ありがとキヨ兄ちゃん…！｣
｢おう。あ、A｣

キヨ兄ちゃんは片手でシートベルトを外し、運転席からすこし身を乗り出して私の髪に触れた。
その流れる用な動作が綺麗で見とれてしまった。

｢寝癖跳ねてる｣

耳の近くの髪を触られびくっと反応する。
わざとじゃないから怒れないし、びくっとしたの気づかれませんように。と祈っているとキヨ兄ちゃんは気づいてないようでくすっと笑う。

｢そんなんじゃ彼氏に笑われるぞ｣
｢笑うような彼氏なんていませんから｣

私はきょとん、としてるキヨ兄ちゃんに行ってきます！と声をかけて校門へと走っていく。
顔が気持ち悪いニヤけた笑みにならないように頬を引っ張る。
キヨ兄ちゃんに久しぶりに会えたし、送って貰えたし、今日はなんて最高な日なんだろう！！
教室へいくと、クラスメイトから今日のAは笑顔が気持ち悪いと言われてしまった。
酷くない！？


校長先生の長い話が終わりクラスメイト達と休みの日は何したかとか、彼がとか、今日この後どうするか、なんて話していた。
すると、私のスマホに通知がきた。
相手はキヨ兄ちゃんから。
実は車に乗ってる時交換してもらったんだよね。

キヨ兄ちゃん今日学校何時まで?
Aもう少しで帰る。そろそろ帰りのHR!

キヨ兄ちゃんに返事を返していると丁度先生が入ってきた。
慌ててスマホをマナーモードにし、机の中にいれた。
学校何時まで？ってなんで聞いてきたんだろ？
先生の話を聞き流しキヨ兄ちゃんの事を考えていると、あっという間に時間は過ぎていた。
周りのクラスメイトはガヤガヤと騒ぎながら帰りの支度をしている。
支度をすませ、生徒玄関へと向かう途中でキヨ兄ちゃんから返事が来てないかとスマホを開く。
案の定キヨ兄ちゃんからのLINEが入っており、トークを開く。

キヨ兄ちゃん朝にAのママさんと会って話聞いたんだけど、昼飯ないんだろ?一緒に食わねぇ?

なんと！？
キヨ兄ちゃんに食べる！どこで待ち合わせする？と、返事を返し靴を履き替えた。
校門前では女子生徒が五、六人ほど騒いで固まっていた。

｢お兄さんかっこいいですね｣
｢はぁ…どうも｣

通り過ぎようとした足を止める。
そのぶっきらぼうな声は聞き覚えがある声で…。
私はゆっくり女子生徒の輪を見つめた。

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