【オリオンの刻印】日本の女神？元通り魔ですが (ページ27)

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第23人目信条は二律背反ページ27

「鬼道さん、ちょっといいですか？」
提案したのは悪魔みたいな、邪悪に塗れたものだったけど、やるしかない。
もちろん日本のためでしょ？やるしか無いじゃん
私の言い出したことは最低だ。サッカーを冒涜するのと同じだ。
何言ってるの？自分のいる意味は＿＿
ああ鬱陶しい！二律背反が頭にこびりついて離れないの！
「……なるほど。だがこの手段は最後に使おう」
「はい、残り5分で出来る限りのことをします。私達が点を取るのでそちらはそれ(・・)に集中して頂ければ」
「了解だ」
自分でも何を言ってるんのか分からない。

「おらっ！」「ぐわっ！」
「ボサッとすんなよ！」「がぁっ！」
「集中しろよ！俺様のパスはちょっとばかし強烈なんでね！」「だぁっ！」
「初戦の一星、全くついてない！
もはやサンドバッグ状態だ！」
見てられない。惨状というのはこれのことかね……
「鬼道ロングシュート！おおーっと！？なんと一星に命中してしまった！」
「鬼道……」
「風丸さん……酷いですね、これ」
「奴は自分を見失っているんだ。これまでの怒りが絡みついて離れない」
全く的確。人を見る目は日本代表一番かね。
「ところで金山、足…大丈夫か？」
「あっ、はい。おかげさ」
「やめろぉぉぉぉぉぉぉぉぉ！！！！！」
ドォッン！
えっ今何が起こって、えっ？
なんで明日人に強打してんの……！
ヒロトの洒落てないキラーパスは一星に当たるはずのもの。まさか庇って……！？
「明日人！」

急いで駆けつけて確認すると、ボールは明日人の顔に当たっていた。
なんで。なんで介入するの？
どうしてサッカーが好きな明日人がサッカーの冒涜ごっこに関わろうとするの？
改善したいから？一星を守りたいから？
やめて。そういうのホントやめて。
お願いだから見て見ぬフリをして。
「肩貸すから、掴まって」
応急処置を受ける明日人に灰崎は苛立ちの視線を飛ばしていた。
「稲森！なんで邪魔した」
しかし明日人の上体は鬼道さんに向かった。
「鬼道さん、あなたがチームを守るなら
俺は、サッカーを守ります。」
……！

何で好きなサッカーを脅かすの？
どうして一星を守ろうとするの？
そんな疑問が浮かんだけど、

言葉が、無かった。
何も言えなかった。
「金山さん、金山さん！」
「ッ、すみません吹雪さん」
「試合再開。稲森くんはまだ出るって」
「はっはい」
とにかくやるしか無い？あれもやるしか無い。やるしか無い。やるしか無い＿＿？