2章17話「創造神がいる意味は(1)」 ページ21
こつ、こつ、コッ。
カツ、カツ、カツ
もうすぐ、もうすぐ、もうすぐ
辿り着く
カツ、カツ、カツ
もうすぐ、もう少し、あと少し
全てが壊れる
ー
■■「……何がどうなったらこうなるのだ。」
創造神は理解ができなかった
処刑人が外から来た者達に喧嘩を売る理由も
傍観者達が死体の山となって積み上がっている理由も
この世界の創造神は疲れてしまった
慣れない孤独と理解のできない事をする者達を見続けて、飽きてしまった
■■「……そろそろ帰ってきていいよ。」
■■「…!?」
■■「暇だから来ちゃった。」
■■「でも、」
■■「事が収まったら彼等も…あ、そこの彼は先に回収しておく。」
■■「………。」
■■「帰ってきてもいいよ。」
■■「………それは」
■■「ロワルデンも駄目だったみたいで落ちちゃったから。だから大丈夫。」
■■「………でも」
■■「だって」
■■「………………………………彼に何か唆されたの?」
違う。
あの男が言っていることはきっと本当の事だ
本当に寂しかった
ずっと側に居たかった事を我慢して創造神になった
■■「………故鞠。今すぐに帰ってきなさい。」
名前。
創造神になってから呼ばれなくなった我の名前。
………貴方が名付けた、我の最初の宝物
古毬、そう呼ばれた創造神は眠りに落ちた
ー
■■「ねぇ。」
■「■■■■■■」
■■「僕の眷属を唆すのだけはやめてくれない?」
■「■■■■■■■■■■」
■■(……違う。彼等は眷属なんだ。物なんかじゃない。)
■■(眷属で、友達なんだ。)
■(……執着心の強すぎる男。)
■■「彼等は僕の眷属だから!どっか行って!!」
■(無意識に自分の眷属を所有物だと思っている。)
■(………大丈夫。)
■(彼等はちゃんと“本物”だ。)
■■「ふぅ…。」
■■(………やっとどっか行った…。)
■■「あれ、創造神様。」
■■「壱隠くん!!」
壱隠「こんにちは。創造神様。何かあった?」
■■「錦くんは?」
壱隠「…処刑人の仕事。」
■■「…………壱隠くんも処刑人でしょ。どうしたの。」
壱隠「実は………」
ー
■■「頼られなくて不安になっちゃったんだ。」
壱隠「うん…そう…そうなんだ………。」
壱隠「なんか、」
■■は僕の顔を覗く
壱隠「いつもの僕じゃないみたいで…怖いんだ…。」
■■「………。」
■■「いつでも帰ってきてくれていいからね。」
壱隠「うん…ありがとう。錦と一緒に帰るよ。」
■■「その時は御馳走を用意するよ。」
2章18話「処刑人(■)」→←2章16話「ここが色鮮やかな世界だったら(1)」
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