2章12話「下ろしてほしかった子供達(1)」 ページ13
悲しくて、哀しくて
泣いていたら、叩かれました
うるさいと、ただそれだけの理由で
叩かれたんだ
その日から俺は弟を守らねぇと、と思った。
…金がないならおろしてくれてもよかったのにな。
ラズル「なぁ、ライカ。」
ライカ「…どうした?」
ラズル「お前の弟、そろそろミルクを欲しがるんじゃねぇか?」
ライカ「…………今何時。」
ラズル「…真夜中の1時20分。」
ライカ「……………急いで帰るか。」
ラズル「ワープホールだな。すぐに用意するから待ってろ。」
俺の親は微調整で2人同時に産みやがった。
いや、金がないなら下ろせよ…………。
自分達が生きれるかどうかも怪しいのに産むなよ………。
子供が嫌いなら産まなきゃよかっただろ。
なんで産んだんだよ。
俺も弟もお前らの気持ちがわかんねぇよ。
俺。学校、申し訳なくて行けなかったんだ。
親が生活できなくて苦しんでんのにさ、自分だけ貰った金で学校に行くのが申し訳なくてさ。
学校行かずにずっと家にいたんだ。
ラズル「………ワープホール、出来たぞ。」
ラズル「………また考え事か。」
ラズル「俺、よく思うんだ。」
ラズル「お前は馬鹿なままがいいな。」
ラズルはライカを抱き寄せた。
何も言わなくていい
何かを言う必要はない
家族の事で悩んだ者の集まりが今の家族なんだ。
ちょっとくらい静かでもいいだろ。
なぁ?
2章13話「わからなくなった子供(1)」→←2章11話「拗らせてた男達(2)」
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