+α 黒木side ページ14
｢告白…したわけじゃないんだ。
先輩の話をたまたま聞いてしまったの。
……他の子に想いをよせている話を……｣
そう言ってアーヤはまた、瞳に涙を溜め 俯いた。
…君も"恋"を知ったんだね。
シュンさんへの想いとは違う恋を。
そして、失恋の辛さも知ってしまったんだ。
その時、
｢彩？｣
という声がした。
一斉に声の方を見る。
そこには長身で黒髪、黒メガネの男が立っていた。
｢先輩…｣
アーヤは声を震わせながらそう呟いた。
その瞬間、空気が変わる。
睨むようにして全員がそいつを見る。
分かっていた。
こいつが悪いわけじゃないことを。
けど、アーヤの涙の原因であるこいつを、
アーヤに想われていたこいつを、
俺たちは許せないんだ。
"嫉妬"という醜い感情を抱いてしまっているから。
｢先輩…どうしたんですか？｣
美門がアーヤの代わりにそう聞いた。
｢君は…バスケ部の美門くんだよね？
あ、俺は忘れ物を取りに来ただけなんだ。｣
そう言って指さす方向を見ると、ベンチに1冊の本が置いてあった。
俺は素早くベンチに向かい、本を手に取りそいつに手渡した。
早く帰れよ、そういう気持ちも込めて どうぞ、と言う。
しかし、一向に帰ろうとはしなかった。
そして、アーヤの様子に気づいたのか急いで駆け寄ろうとした。
｢彩、泣いてるのか？！｣
俺達は立ち上がってそれを制した。
｢美門くん…君まで…｣
俺たちを訝しむように"先輩"は見てきた。
その時、アーヤが割り込むようにして入ってきた。
｢先輩！ 違うんです。
ただ……｣
そう言って俯くアーヤをそいつは心配そうに見ていた。
そして、決心したようにアーヤは顔をあげた。
｢失恋しちゃったんです。
それで、皆が励ましてくれてたんです。｣
そう言ったアーヤをそいつは驚くように見つめた。
そして、微笑んでアーヤの頭を優しく撫でた。
｢そっか。
でも、素敵な仲間がいて良かったね。｣
｢…っはい！｣
アーヤは切なそうに、けど幸せそうに笑った。
｢大切な仲間なんです！｣
あぁ。
アーヤはこうやってまた、失恋の痛みを知り綺麗になっていくんだ。
周りの男も放って置かなくなるだろう。
そろそろ本気にならないと他の奴に持っていかれてしまう。
そう、全員に火が点いた瞬間だった。
Fin.
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あーかり - な、なんと！私と同じ名前の人がいるとは！伸ばしつけたけど、え！？書いたっけ！？って思った、、、って、まぁ、更新待ってます！頑張ってください！ (2018年3月27日 21時) (
レス) id: 40a2a82728 (このIDを非表示/違反報告)
ramia - 私は今年中学受験生だった者です。受験はしんどいと思いますが、頑張ってください！ (2017年8月9日 20時) (レス) id: 847474aa7a (このIDを非表示/違反報告)
さくら - 私も受験生です！みなさん中学受験ですか？ (2017年8月1日 1時) (レス) id: 40c7213eb4 (このIDを非表示/違反報告)
夢衣(プロフ) - あかりさん» ありがとうございます！お互い頑張りましょうね！ (2017年5月17日 7時) (レス) id: 89d0776e69 (このIDを非表示/違反報告)
あかり(プロフ) - 私も受験生です
大変だと思いますが、がんばってください！応援してます！ (2017年5月17日 1時) (携帯から) (レス) id: 71eaf23d72 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夢衣 | 作成日時：2017年3月18日 16時
