Half step【3】 (ページ17)

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『……うん。』

時差があるのか、彼が相槌を打つまでかなりタイミングがあった。

「かおりさんも知らんって。
…おかしいよね、2ヶ月も帰ってきてなくて。」

大吾と正門くんの仲やから？
それでも、身内に言えんのに彼には言えるって、私は納得できなくて

「正門くん、なんか知っとるんやろ…？」

初めて彼を責めるようなことを言ってしまった。

「私が知らない大吾の秘密って、なんなん…」

ベッドの前にしゃがみこんで、ブランケットを羽織る。

電話の向こうで、彼はどんな顔してる…？

電話やから、なんか喋ってくれなわからんよ。

「正門くん、」

『…なあに？』

「大吾さ、…おらんくならんよね？」

そんなことないよ、心配しすぎ、って言って欲しかったのかもしれない。

『Aさん、明日いつ帰ってくる？』

「…たぶん、昼過ぎには帰る…」

『迎えに行くから。直接話そ。』

だけど、正門くんの嘘つかないとこも好き。

電話を切って、無性に泣きたくなった。

彼との電話の後、泣くなんて失礼なんじゃないかと思うのに、止まらない。

気休めのつもりで、何気なく、また大吾との画面を開いたら

さっき送った私のメッセージには、既読が付いていて、

大吾には、何故か全て見透かされてるんじゃないかと、ゾッとした。