イカれた聖職者【文スト】

４． ページ4

それから数日が経った。今は丁度昼過ぎ。









朝はお祈りにくるご老人が多くいたが、昼過ぎになるとめっきり人が来なくなる。









なのでAはいつも、お昼の間に街に出かけ食糧を調達するのだ。









教会の鍵を何重にも頑丈に閉め、アリ一匹入れないように施錠する。









そして穏やかな笑みを浮かべたままAは街へ降りていくのだ。









街にやってくると商店街の人達がAを見ては挨拶をしてくる。









聖職者という立場上、壮年の方々はAを神聖なものでも見るかのような目で見ている。









Aは変わらず穏やかな笑みを浮かべながら通り過がりの人達に挨拶をしていく。









買い物を済ませてAは電車に乗って帰ろうとした。









電車に乗ると、先頭車両にはあまり人はおらず子供連れの親子と、仕事帰りのサラリーマンくらいしか乗っていなかった。









そんな時、車内アナウンスが流れた。









？《あァ〜〜〜、こちら車掌室ゥ。誠に勝手ながらぁ？唯今よりささやかな「物理学実験」を行いまぁす！









題目は、「非慣性系における爆轟反応および官能評価」っ！









被験者はお乗り合わせの皆様！ご協力まァ〜〜〜〜〜っことに感謝！









では早速ですがぁ、これをお聞きくださぁ〜〜〜い》









その瞬間、Aの乗っている先頭車両が大爆発を起こした。









煙が晴れると、そこにはA以外の乗客が全員死んでいた。

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