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帰りのキャラバンの中、そこでは誰一人として笑う者はいなかった。
私も佐久間君と源田君が病院に到着したことを辺見君達に聞いてからは、そこからはずっと心は虚無だった。
泣くこともできず、「よかったね」と言って笑うこともできない。
そんな私の空気を察して、誰一人として試合の話をする者はいなかった。
私が佐久間君と源田君をあんなことになるまで追い詰めた……彼らが最後に見せた涙と謝罪の言葉が頭に響く。
謝らなければいけないのは私の方なのに、何をやってるんだ私は……
春「！……A、さん……？」
隣の通路側に座る春奈ちゃんが恐る恐る話しかけてきた。春奈ちゃんは私を見てすごく心配そうな顔をしている。
『どうかしたかい？』
私がそう言えば、春奈ちゃんは席を立って自分のハンカチで私の目元を抑えた。
『え……？』
春「Aさん一人が責任を負うことないですっ」
『！』
私は今気付いた。自分が涙を流していることに。
秋「そうですよ。Aさんが元気でなきゃ、佐久間君も源田君も心配しちゃいますよ」
円「そうだぜA！お前はなんも悪くないんだからさ！」
風「円堂の言うとおり。悪いのは佐久間達を利用しようとしていた影山だ。
Aが責任を感じることはない」
気付けば皆は立ち上がって私の周りに集まっていた。
『皆……そうだね、いつまでもクヨクヨしているなんて、彼らが理想とする私じゃないね……』
私はそう小声で呟いた。
『ありがとう皆。もう大丈夫だよ。
だから……早く座りたまえ。走行中に席を立つなんて、お行儀が悪いよ』
円「お！いつものAに戻ったな！」
鬼「それでこそ、姉さんです」
キャラバンの中は再び笑い声が溢れた。
いつまでも情けない姿を晒すわけにはいかない。
これからは、こんなことがないようにしないとね……
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彩(プロフ) - 更新楽しみにしています。頑張ってくだざい (2020年4月25日 0時) (
レス) id: 30a946bee5 (このIDを非表示/違反報告)
御幣島愛笑(プロフ) - リクエストで、影山さんのお墓を作った時の話が見たいです。 (2020年3月10日 20時) (レス) id: 37a1716821 (このIDを非表示/違反報告)
遊星(プロフ) - 更新停止になってますが大丈夫ですか？素敵な話なのに更新停止は勿体無いです。早く続き読みたいです。 (2020年1月17日 9時) (レス) id: cc3dcebb37 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：梅こんぶ | 作成日時：2020年1月14日 22時
