痛みを感じない女 Part４【イナギャラ】

１８５． ページ35

黒岩はAの部屋に入ると、ベッドで眠るAを見下ろした。









黒岩「頼むと言った矢先にこれか、A」









『……』









黒岩「……また傷が増えたな」









黒岩はそう言い、腹に巻かれた包帯を見た。









黒岩「フッ、お前のこのような弱った姿を見れるとはな。









戦慄の女軍師と呼ばれたお前も、こうなってしまえばただの人の子同然か」









昔のようにそう言っても、いつものように言い返してくる声が聞こえない。









黒岩はしばらく沈黙の後、そのまま部屋を出ようとした。









黒岩「……お前がどうなろうと、私は目的を果たす」









そう言って黒岩はAの部屋を出て行った。









『……酷い言われようだ』









目をうっすらと開いたAは、小さく自虐的に笑いそう呟いた。

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