夜桜の木の下には彼女がいた２～エイリア学園編～ (ページ11)

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その翌日、目が覚めたAは顔を洗いに洗面所に向かった。

するとゲレンデの方から声が聞こえてきた。

そっちに向かってみると吹雪がそこに立っていた。

『士郎？どうしたんだこんなところで』

吹雪はようやくAに気がついたのかこっちを振り返った。

吹「Aちゃんこそ、随分と起きるのが早いんだね」

『目が覚めてな。ん？』

ゲレンデの下を見てみると、そこには染岡と風丸と円堂が雪を投げ合って遊んでいた。

吹雪はその様子をジッと見てどこか寂しげな表情をしていた。

そんな吹雪を見てAはそっと抱きしめてやった。

吹「え、Aちゃん……？」

『私は、お前がイナズマキャラバンに参加するのが反対だ』

吹「え？どうして？」

『……このままじゃ、いつかお前が壊れてしまいそうで怖いんだよ……

今だって、お前が消えてなくなってしまいそうで不安なのに』

吹「……大丈夫だよ。僕は平気。だからそんな心配しないで」

Aは吹雪からそっと離れた。吹雪の目をみるとAは小さく溜息をついた。

『……無理はしないこと。辛くなったら言うこと。

わかったか？』

吹「うん、わかった。ありがとうAちゃん」

今度は吹雪がAを抱きしめた。

『……そろそろ戻ろう。朝ご飯用意できてるだろうし』

吹「もうちょっとこのままがいいな～」

『だーめーだっ！さっさと離せバカ！』

Aは吹雪の腕から強引に抜けた。吹雪は物足りなそうな顔をしていたが気にせず中に戻っていった。