痛みを感じない女 Part2【イナGO】

７０． ページ20

その翌日、Aはイシドと共に太陽の入院する病院へ来ていた。









病室に入ると、太陽はベッドで大人しくしていた。









太「あ！イシドさん！Aさん！」









イシド「元気そうだな」









太「はい！こないだAさんからも大人しくしとくよう言われちゃいましたから」









『良い子だね』









太陽は自慢げに笑ってみせた。









『そうそう。検査の結果は良好、退院の許可を貰ってきたよ』









太「やった！じゃあ今度の試合、出場できるんですね！」









『そのことで担当医と話をしたのだけど……残念だけど、次の試合は見送ることにした』









Aがそう言うと太陽はガッカリしたような表情になる。









太「そんな……」









『治療に専念することだよ。君の病気は必ず良くなる』









太「病気とは長い付き合いだし、僕絶対に無理しませんからっ！」









『……今回は諦めたまえ』









太「……嫌ですっ」









イシド「！」









太「サッカーだけなんです！僕が夢中になれるほど、辛くても不安でも、グラウンドにいる間は全部忘れられるっ








サッカーが僕の命を繋いできたんです！試合に出られないなら僕、死んだと同じです……」









『太陽君……』









イシド「……行くぞ、A」









Aとイシドはそのまま病室を出て行った。

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