痛みを感じない少女〜Another Story 2〜

７２． ページ22

そして試合開始のホイッスルが鳴り響いた。









試合が始まると、佐久間がゴール前で立ち止った。









『(嫌な予感が止まらない……)』









その瞬間、佐久間はシュート体勢に入る。それを見た途端、Aは勢いよく立ち上がって目を見開く。









『やめたまえ佐久間君！！』









鬼「それは禁断の技だー！！」









佐「皇帝ペンギン１号！！」









二人の声も虚しく佐久間はその技を放ってしまった。









その技は円堂に向かっていく。そして円堂のゴッドハンドは簡単に打ち破られゴールに突き刺さった。









『恐れていたことが本当に起るなんてっ……』









夏「何なの、あの技……」









『皇帝ペンギン１号は、影山さんが考案したシュート……恐ろしい程の威力を持つ反面、全身の筋肉は悲鳴をあげ激痛が走る。









身体にかかる負担があまりにも大きいため、私はそれを禁断の技として二度と使わせないようにしていた……








あの技を打つのは、１試合２回が限界……３回目は……二度とサッカーが出来なくなってしまう』









秋「そんなっ……」









『それに円堂も、あの技をもう一度まともに喰らったら立っていられなくなってしまうっ』









雷門「「っ！！」」









『……この試合の作戦が決まった。佐久間君にボールを渡すな！』









Aの言葉に全員が頷いた。

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