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キャラバンはその後エンジンを掛けても動く気配がない。
古「雪溜まりにタイヤを取られたっ。ちょっと見てくるわ」
?「ダメだよ。山オヤジが来るよ」
少年がそう言うと皆は不思議そうな顔になる。
円「山オヤジ?」
その瞬間、キャラバンが外から大きく何者かに揺らされ車内はパニックになる。
そして揺れが収まったかと思いきや、先程までAの隣に座っていた少年の姿がない。
夏「あれ?彼は?」
外を見ると、キャラバンを揺らしていた巨大な熊が倒されていて、外から先程の少年が戻ってきた。
?「もう出発しても大丈夫ですよ」
円「……まさか;」
栗「まさかでヤンス……;」
土「だよねぇ……?;」
『……熊殺しか』
Aはぼそっと小さくそう呟いた。
そしてキャラバンは動き出し、ようやく雪原を抜けた。
円「本当にここでいいのか?」
?「うん。すぐそこだから」
円「んじゃ!」
?「ありがとね」
少年はキャラバンを降り、キャラバンはそのまま白恋中へ向け出発した。
Aはバックミラーから先程の少年が雪を切り裂いて道を自ら作り出した瞬間を見逃さなかった。
『フフ……面白いね、彼』
Aはそう言いながら不適に笑っていた。
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マナ - 質問よろしいでしょうか? (2021年4月17日 18時) (レス) id: 9e471035c6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:梅こんぶ | 作成日時:2019年8月19日 21時