痛みを感じない少女 弐【イナアレ】

９４． ページ44

ボールを奪った雷門はどんどん攻め込んでいき、そのまま１点を返した。









試合が再開し灰崎はまた雷門のゾーンプレスに囲まれてしまう。だがそれを良い位置にいた佐曽塚にパスを出したことでマークを抜けた。









『ほう……今の佐曽塚君の位置、有人が指示したものか。中々やるじゃないか』









杏「感心してる場合じゃないですよっ、あの防御が突破されちゃったんじゃ……」









『フフ、大丈夫だよ。作戦はまだ用意されているからね』









趙「そう！では恋のレッスンナンバートゥー！気になるあの子の意外な一面！」









つ「え？なんですかそれ？」









Aは皆に作戦の第二段階の指示を送った。









奥「気になるあの子の意外な一面って、なに？」








日「聞いてます？」








剛「いやぁ……」









その時、万作が一気に前に飛び出してきた。









万「うおおおお！よっしゃーーー！！」









万作は勢いに乗ってボールを奪って前に突っ込んでいく。









万「見せてやるぜ！俺の意外な一面を！」









剛「えぇ！？気になるあの子ってお前！？」









『そう、万作君はただのDFから、リベロになったのだよ。これこそ、DFの万作君の意外な一面だね』









杏「リベロ？なんですかそれ？」









つ「元々は自由な人って意味なんだけど、サッカーでは守備の選手だけど攻撃にも参加する自由な人ってこと」









杏「へ〜」








つ「でもリベロってかなりの運動量が必要ですよね？」









『実は皆には秘密で彼には特訓をしてもらっていたのだよ。個人授業という名の愛の鞭をね♪』









ボールは万作に渡ると、万作は新たな必殺技で相手を抜き去っていった。









趙「レッスントゥー！意外な一面を見せることでトキメキは増していくものでぇす」









李「なるほど、確かに……」









そしてゴール前まで上がってきた万作はそのままループシュートでゴールを決め、２点目を入れた。

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