痛みを感じない少女 弐【イナアレ】

８３． ページ33

それから数日後、雷門は第五試合も勝利し、いよいよ次がラストの試合となる。









皆は次の試合に向け意気込んでいた。









趙「オーホッホッホ！素晴らしかったですよ〜









今回は”あえて”作戦なしで試合に挑んでもらったのですが」









つ「とか言って、ホントは作戦がネタ切れだったりとか〜」









趙「ガーンっ！；」









監督の反応に皆は唖然とする。









つ「え？；」









万「……おい、真逆」









岩「本当にネタ切れでゴスか？；」









服「いやいやいや；Aさんもいるしそれはないでしょう……；」









杏「Aさんなら試合中ずっと寝てましたけど？；」









雷門「「えっ」」









皆がAの方を見ると、Aは黙って目線を反らした。









雷門「「この人マジだ！；」」









『ゴホンッ！話を戻すとしようか……FF予選もいよいよ次が最終戦だ』









雷門「「話を逸らした！？；」」









趙「現時点での１位は５勝０敗の星章です。ご存じの通り、試合に勝てば勝ち点３。引き分けで勝ち点１なので」









道「星章は勝ち点１５か……残り一試合あるが、他に全勝のチームはいない。決勝進出の確立はかなり高いだろうな」









『２位の帝国学園が既に６試合を終えて勝ち点１３。私達は４勝１敗で勝ち点１２となる』









つ「えーっと、私達が決勝大会に進むには引き分けだと難しくて……」









皆は頭を捻らせ考える、その中で明日人が立ち上がった。









稲「難しく考えることないよ。最終戦もただ勝ちを目指して戦うだけだ！」









雷門「「おう！」」









『難しく考えることはない、か……良いこと言うじゃないか明日人君』









稲「えへへ、そうですか？」









明日人は照れくさそうにはにかんだ。









『このまま何事もなければいいのだけどね』









Aは誰にも聞こえない声で小さくそう言った。

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