痛みを感じない少女 弐【イナアレ】

５３． ページ3

星章学園を出た後、Aが雷門に戻ろうとすると明日人が前を歩いているのを見つけ、後ろからそっと近づいて、明日人の耳にフッと息を吹きかけた。









稲「うわぁあぁあぁあぁ！？；……ってAさん！？；」









『ウフフ、君は本当に期待通りの反応をしてくれるねぇ』








稲「ここで何してるんですか？；」









『ちょっとした野暮用だよ。それより君は監督からのお使いかい？どれ、私も手伝ってあげよう』









稲「ありがとうございます！正直、監督の地図がいい加減で困っていたところなんです；」









明日人が持っている地図は決してわかりやすいとは言えない地図だった。









『ふむ、スポーツ用品店ならすぐそこだよ』









稲「えぇ！？これ解読できたんですか！？」









『解読も何も、この辺りの店はそこくらいだからね。ほら行こうか』









稲「はい！……あれ？」









『今度はどうしたんだい？』









明日人はゲームセンターの入口に立って中を見ている。Aもその方向を見ると、そこにはクレーンゲームをしている星章の灰崎がいた。









稲「あれは……灰崎、ですよね？」









『みたいだね。折角だし挨拶でもしてきたらどうだい？買い物は私が済ませてきてあげるよ』









稲「え、あ、ありがとうございます」









Aはそのまま店の中に入っていってしまった。

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