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ハーブティーを淹れ、客から貰った茶菓子を一緒に出してまったりくつろぐ二人。

食器同士が重なる音がし、Aが口を開く。





『今日は何しに?ホリデーはまだまだ先でしょ?』

「新しい化粧品を作りたいの。これ、必要なもののリスト」




薬草や毒草の名前が書かれた紙を受け取り、それを上から順番に見ていく。





『……オッケー。全部うちに置いてあるよ。

帰りに袋に詰めてあげる』

「助かるわ。お姉ちゃんが育てた薬草なら安心だものね」

『ま、その辺の魔法士よりかは、自信あるけどね』





Aはそう言って薬草を育てるのを手伝ってくれている水の妖精に茶菓子のクッキーを渡した。





「妖精に手伝ってもらってるのね」

『そ。珍しい薬草とかにつられて来た子たちが、こうやってたまに来て手伝ってくれてんの』

「気まぐれな妖精らしいわね」

『それが妖精の良いところ。気まぐれだから執着という概念がないもの』





そう言うAを見てみると、目は伏せ、ティーカップで口元は隠され、どんな表情なのか読み取ることはできなかった。

だが、ヴィルはどこか確信していた。






「……何よ。まだ全然根に持ってるじゃない」

『女って、嫌なことは一生覚えているもんなのよ』





そう言うAの目は、遙か遠くを憎むようね目付きだった。

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作者名:梅こんぶ | 作成日時:2020年11月24日 21時

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