バレませんように【カリム】

３４． ページ34

「こらー！！！なんの騒ぎです！」

「げっ、学園長……」

「アイツ、アイノムチで縛ってくるんだゾ！逃げろっ！」




ケンカをしていたモンスターと生徒が逃げだそうとすると、学園長が鞭を魔法でしならせ二人を縛り上げる。




「いでーっ！」

「ふぎゃーっ！二日連続でいてぇんだゾーー！」

「愛の鞭です！この私から逃げようなんて１００年早いんですよ！」





ケンカをしていた一人と一匹は諦めたようにその場で大人しくなる。

そして、石像を焦がしたその二人と、先ほどから端っこで慌てていた人間は、学園長から放課後の窓拭き掃除を言い渡されていた。




「全く……そこの君。たしか、リーくんでしたね。お怪我はありませんか？」




学園長がAに手を差し出してそう問いかける。




『だ、大丈夫です。それよりすみません。オレが、咄嗟に避けてしまったばっかりに大事な石像を……』

「いえ、怪我がないのならそれでいいのですよ。

君も早く教室へ向かいなさい」

『は、はい。失礼します』





Aは横目で、叱られてしょげている２人と１匹を見てそのまま教室へ向かった。





『(朝からなんでこんな目に……)』

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