灰色のネズミ ３【イナイレ】

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『……いつから……いつから気付いていたの？』









フロイ「父さんが亡くなって、君が兄さんと過ごす時間が増えた時くらいから既に気付いていたさ。









オリオンが闇に染まっていくにつれ、君の感情もなくなっていった。









僕は、そんなAを見ているのが、すごく辛かったよ……」









『辛い……？どうして……？』









私がそう聞けば、フロイは小さく微笑む。









フロイ「それは……君が僕にとって大切な人だから」









『大切……』









そんなこと、初めて言われた……









フロイ「A、お願いだ。僕に協力してほしい。一緒にオリオンを変えよう！









僕達ならそれができるっ、僕達の手で父さんが目指したあの頃のオリオンに戻すんだ！」









フロイは私の肩を掴んでそう言った。









……でもごめんなさい、フロイ……









『……それは、できない』









フロイ「えっ……？」









私はフロイから離れ、その場を立ち去ろうとした。









フロイ「ま、待ってよA！どうしてっ……」









『私は……貴方の味方にはなれない……私は……汚いネズミだから』









フロイ「っ！」









『今日のこと……見なかったことにするから、安心して……









それと……もう、私に構わないで……さようなら』









私はそう言って部屋を出て財団に帰っていく。









最後に見たフロイの顔は、とても悲しそうだった。









……まただ。この胸の痛みはなに……？イナズマジャパンを裏切った時とは違う……









また別の痛みが、私を徐々に蝕んでいく……

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