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四葉 ページ5

どこに向かっているのだろう。そう思いながらついていく。

前を歩くモリアーティがなんだか何時もより緊張した様子をしていて、いつもの様にじゃれに行けない。





「ねぇ、A」


前を歩いていたモリアーティが真剣な顔で振り返る。



その表情に思わずドキッと胸が鳴る。







なんだか久々に見たな、この顔。


「俺、Aに知っておいてほしいことがあってさ」



モリアーティが私を実は好きってことですか?(妄想)


それなら知ってますよ





真剣な顔したモリアーティも可愛いとドキドキしつつ、頭の中でまた冗談を並べ立ててみる。

「うん」



冗談ばかり言っていないでちゃんと聞かなくちゃと、言葉を待つように相槌だけ返す



私の返事のあと再度沈黙が訪れ、そこからは2人で静かに歩いた。



沈黙の中私が何も口にしなかったのは、

その道に私自身が違和感を覚えていたからだ。





やがて、目的地に着いたモリアーティが足を止めた。




そこは、私の違和感を確信へと変え、私にとって信じがたい場所。



待って、モリアーティって…








「ねぇ。モリアーティ、ここって…?」



声が震えそうなのを必死に抑え、訪ねる。





「…俺、ウエストに住んでるんだ。ここはイーストとウエストの抜け道。……っそれで…」



モリアーティはどこか怯えたような、不安げな顔をしていた。






私はこの場所を知っていた。


…そっか。モリアーティも、そうだったんだ。





「…A?」


「あっ!ごめんごめん!ちょっと驚いたよ、モリアーティって実は坊っちゃんだったんだね!」




不安げに私の顔を覗くモリアーティに笑って返す。

「…そっか」





私の返事にモリアーティはほっとした顔をした。


確かに私相手じゃその反応になる筈だ。


だって、私はウエストが嫌いだから。

モリアーティにもその事を話している。



だからきっと、私にこのことを告げるのはかなりの勇気がいる事だっただろう。








私も、嫌いだとは言えウエスト住みの人間の前でとんでもない事を言っていた。

やってしまったと後悔する。



そして









当たり前だけど、ちょっと気まずい雰囲気である。

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ユナ(プロフ) - 更新楽しみにしています (2020年6月2日 19時) (レス) id: 0e552ce067 (このIDを非表示/違反報告)
ひよこ(プロフ) - 歌舞伎町シャーロックの小説があって凄く嬉しいです…!無理をしないで更新頑張ってください! (2020年3月28日 2時) (レス) id: f31585a7f8 (このIDを非表示/違反報告)
真夏の夜(プロフ) - 更新を楽しみにしています(^^) (2020年3月21日 2時) (レス) id: 1160d728c9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:桜の木 | 作成日時:2020年3月15日 1時

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