6話 ページ7
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それから食事を済ませて、風呂を済ませ、
自分の部屋に入れば、一人部屋にしては少し大き過ぎる広いベッドへと軽くダイブをする。
ふわふわな布団から薔薇の香りが仄かに感じる。
A「……明日、か。」
Aは棚に置いてあるデジタルの時計に表示されている日付を見て、ぽつりと小さく呟いた。
明日から全国大会が始まる。開幕式が終われば、次の日は月山国光と対戦することになる。
月山国光は今日のベストエイト。指折りの強豪チームだ。
初戦から月山国光ということは、フィフスセクターが雷門を潰す為に仕組んだことなのだろう。
本当のサッカーを取り戻させない為に……。
Aは身体を起こして、端末の電源を入れて検索を掛けた。
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水鳥「何だ何だ、白星凄く眠そうだな？」
A「あはは…ちょっと遅くまで起きちゃって」
水鳥「おいおい…」
翌日の昼頃。
サッカー部の皆はバスに乗り、会場のロシアンルーレットスタジアムへと向かっていた。
その中、Aだけが眠そうに小さく、ふあ…と欠伸を漏らしている。
前に座っていた水鳥はAを見ながら、遅くまで起きてたという発言に小さな苦笑いを浮かべた。
どうやら検索を掛ければ掛けるほど、調べたいものが見つかり、かなり時間が掛かったみたいだ。
青山「スタメン落ちかぁ…」
一乃「南沢さんは居ないし、行けると思ったんだけどな…入部したばっかの一年が出るってのに」
青山「だけど、俺たちより能力が上の白星が出るみたいだし…仕方ないよな。」
バスの後ろの席で、青山と一乃が小さな声で話し合っていた。
バスが出る前に鬼道コーチから初戦のスタメンが発表された。
そのスタメンの中に、Aの名前も上がったのだ。
2年である青山と一乃は残念ながらベンチ。
本当は先輩が出るべきなのに、とAは申し訳ない気持ちでいっぱいになり、少し眉を下げた。
鬼道「青山、一乃。気を抜くんじゃない。」
一乃「…！鬼道コーチ…」
鬼道「お前たちも、いつでも出られるように準備しておけ」
一乃・青山「「…！はい！」」
鬼道コーチの言葉により、青山たちの暗かった表情が明るくなり元気よく返事を返した。
暫くバスが走ると、本選会場であるロシアンルーレットスタジアムの姿が現れ始めた。
天馬「これが本選会場の"ロシアンルーレットスタジアム"かぁ…！」
天馬の声に、皆も窓の外を見て会場を眺め始める。
Aも少し曇った表情で、会場を眺めていた。
A「……。」
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作者名：りはる | 作成日時：2020年4月1日 2時
