28話 ページ29
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月島「有り得ぬ…我らの力が通じぬなど…」
月島の言葉を聞いて、南沢は月山国光の皆を見渡して何かに気が付く。
南沢「(まさかコイツら、タクティクスサイクルと兵頭の化身が破られたことで…!)」
鬼道「管理サッカーの"脆さ"がこんな形で出るとはな。」
葵「脆さ…?」
鬼道は月山国光の動きを見てそう呟く。
葵はどういうことだろうとオウム返しをすれば、円堂が"ああ。"と口を開いた。
円堂「確かに月山国光は強いチームだ。だが…フィフスセクターの管理下での試合ばかりでは、本当の意味で逆境に立たされることが無かった。」
車田「それが逆境に立たされた…!」
青山「それで、月山の動きが鈍くなったんですね…」
円堂の言葉に、車田と青山は意味を理解して答えれば鬼道も告げる。
鬼道「チームの進化が問われるのは、逆境に立たされた時。」
青山「…! 勝てますよね、この試合!」
車田たちはこの試合は勝てるのでは無いかと感じた。
だが、円堂は険しい表情のまま月山国光を見詰めた。
南沢「(ダメだ…コイツらに頼ってたんじゃ、勝てる試合も勝てやしない。)」
神童「白星!」
A「はい!」
Aは神童からの指示を受けると神童にパスを出した。
そして神童がパスを受ける…はずが、南沢が飛び込みボールを奪われてしまった。
A「なっ…!?」
Aは慌てて足を止めると、ドリブルして一人で雷門陣内に攻め上がる南沢を追い掛ける。
南沢「(この試合…俺一人でも戦ってやる!!)」
神童「倉間! 天馬!!」
神童は南沢の動きを止めるようにと二人の名を呼ぶ。
南沢「(止められるモンなら止めてみろ!)」
南沢は天馬と倉間に止められる前に、素早い動きで二人の間を抜けて突破する。
だがそこに天城がゴール前に立ち、"ビバ! 万里の長城"で壁を作り行き場を無くせば、南沢からボールを奪取しこぼれ球を信助が受け取った。
南沢「くっ、行かせるか!」
A「…! 信助くん!!」
ボールを奪い返そうと南沢が再び追い掛けると、Aが信助に此方に渡すように指示を出した。
だが南沢のスピードに追い付かれ、パスを出す暇なくスライディングど再びボールを奪われてしまった。
それから次々ヘディングをしてパスカットしたり、二人のディフェンスに奪われないようにボールをキープしたりと、南沢はずっと"一人"で戦っていた。
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作者名：りはる | 作成日時：2020年4月1日 2時
