松陽先生の好きな人だーれ【3年Z組】

授業1 ページ6

次の日、この日から通常通り授業が行われた。

今は３時限目で１日の中で最も集中出来るであろう時間。

だが...

｢Aさん、居眠りはいけませんよ。｣

『...はい。』

Aは究極に眠かった。

原因は勿論昨日の仕事。

あの後4時間も働いていた為、家に着いたのは午前1時過ぎ。

それでもAはその仕事を辞めるわけにはいかなかった。

｢おい、起きろっておい！｣

小声でチラチラ黒板を見ながらAを起こそうとしているのは、生徒会副会長――土方十四郎。

きっと彼なりの気遣いなのだろう。

『...。』

だがAは深い眠りに落ちてしまった。


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｢起立！礼！｣

ガタガタと椅子を動かす音があちらこちらでなる。

Aはうとうとしながらも、もう授業が終わったことを察した。

そして、ふと時計を見ると

12:30...

『...あれ、さっきの授業３時限目じゃなかった...？』

｢起こしづらかったんだヨ、皆。｣

Aの目の前にはどアップ気味のサーモンピンクのクラスメイト――神威。

『...私、そんなに怖い顔で寝てた？』

｢ううん。その逆。超可愛かったヨ！｣

相変わらずニコニコしている彼は、きっと素直な感想を述べたのだろう。

しかしAは馬鹿にされているように捉えた。

『そう。』

それだけを言い残してトイレに向かった。

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