ep6 夜明け ページ1
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誰かの鴉が俺の所へ来た。
十二鬼月と遭遇した、応援が欲しい。と
つつきながら俺を急かした鴉はとても優秀だと思う。こいつの付いている隊員は相当鴉の事も思いやれるやつなんだな。
村に辿り着いた時、大体の状況を察することが出来た。
倒壊した建物
荒れ果てた畑
しかし人の血は一滴も流れていなかった。
………隊員の血を除いては。
感心の言葉しか出てこなかった。
凄すぎる。たった一人で下弦の鬼にここまで。
俺は音には敏感だ。音を把握しながら戦闘をしたりするから耳は人並み以上にいい。
その場の命の音が弱まってるのが耳を澄ませばすぐに分かった。
無論それは鬼も隊員も。
隊員の命の危険が迫っている事は明確だった。
最後の呼吸はきっと力を振り絞って出した技だっただろう。
着地に失敗するほどのダメージを蓄積していた。
その後の攻撃で左目を潰され、骨は相当折れているはずだ。
相当痛いはずなのに。
声を出す事すらで精一杯のはずなのに。
吐血も酷いのにお礼を重ねる隊員。
悔しかった。
もっと早く来てれば。こいつは左目を失うことは無かった。
こいつがここまで弱らせてくれたおかげで倒せただけなのにお礼を言われたくなかった。
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作者名:もね | 作成日時:2021年1月23日 22時