検索窓
今日:11 hit、昨日:1 hit、合計:75,350 hit

ページ9

Diamond



「なんでしょうか、ライラ先生」



ベルリラ学園ダイヤモンドクラス担当教師、ライラック。

通称ライラ先生。

魔法の腕や生徒への指導は確かなものだが、怒ると怖い。



「お前、今年の魔法祭はどうするつもりだ?」



「どうする、とは?私はまた去年のように全力で励み、全力で負けるつもりですよ?」



魔法祭とは、生徒同士の魔法を競い合うための行事。

主に行われるのが、トーナメント式の一対一の生徒同士の戦い。

これでいい結果を残すと、将来いい仕事に就けるとか。

私にとってはどれも興味がない。


だから去年は、予選時点で手を抜いて負けた。

そうすれば魔法祭当日は自由参加。

もちろん、その日は実験三昧だった。



「ほう。全力と言ったな」



「え、はい」



ちょっと待って。

雲行きが怪しい…。



「お前、本気で教師に手を抜いてバレないとでも思ってたのか?」



ひぇ…。

怒ってる。

怒っていらっしゃる…!

待って怖いんだけど!?



「そ、そんなまさか…。私がそんなことするわけ…」



「いいか?もし今年も去年のように手を抜いたら、実験室の使用許可を剥奪する」



「そんな!!」



理不尽よ!

この魔法祭をサボる生徒は私だけじゃないでしょ!

たぶん!



「まあ、体調的に辛いのであれば無理強いはしない。が、仮病はバレるからな」



そう言ってライラ先生は去っていく。


私の実験ライフが危うい…!?

そんな…。



「大丈夫?A?」



さっきからずっと除け者状態だったサカタ。

空気は読めるのか、私から少し距離を置いてこちらを見つめているだけだった。



「大丈夫…じゃないかも…」



「ええっ!?えっと、なにがあったん?」



「魔法祭に参加しないと、私の実験室が…」



「え?逆にA参加しないつもりだったん?」



「だって面倒じゃん」



私がそういい放つと、サカタは私の両手を包むように握る。

戸惑う私をよそに、顔をずいと近付けるサカタ。



「魔法祭ってすっごく楽しいんよ!俺も頑張るから、Aも頑張ろ!一緒に!」



そして子犬のような目で、真っ直ぐ見つめてくる。

なんか変なかんじ。


調子狂う…。



「はあ…。わかった。一緒にね。言っておくけど、私は実験室のために頑張るんだから」



「一緒に決勝戦まで進もうな!」



「聞いて!?」



琥珀の秘密→←白銀の憂鬱



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (203 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
503人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

神楽鈴(プロフ) - 〜QSY〜さん» ありがとうございます!更新待たせてしまってすみません!面白いと言っていただけるなんてとてもうれしいです! (2020年9月2日 22時) (レス) id: 2f04c6572f (このIDを非表示/違反報告)
〜QSY〜 - とても面白いです!更新頑張って下さい! (2020年8月23日 20時) (レス) id: ea2c7a99fe (このIDを非表示/違反報告)
サイダー - あ...() (2020年8月19日 12時) (レス) id: 94909bedb8 (このIDを非表示/違反報告)
いろみず@夢見月(プロフ) - 志麻君…頑張りなね (2020年7月25日 20時) (レス) id: be92b83ba0 (このIDを非表示/違反報告)
いろみず@夢見月 - 神楽鈴さん» 更新という行為が嬉しいんですよ!毎日投稿でも多分荒ぶってます←コメ返嬉しすぎるので祭りしてきますね。 (2020年6月25日 21時) (レス) id: be92b83ba0 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:神楽鈴 | 作成日時:2020年4月25日 23時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。