☆ ページ23
Diamond
「ふふ…」
「A…ちょっと怖いんやけど…」
怪しくピンクに輝く鍋の中の液体。
材料は全て中に入っており、あとは魔法を唱えるだけ…。
この魔法薬が完成する時の快感がたまらない。
「“私の願いに答えておくれ、想い人を振り向かせて”…。さあ…!!これで完成よ…!!」
ボフンッ
小さな爆発が起こり、液体が透明になった。
「サカタ!成功した!」
つい興奮してしまい大きな声をだしてしまう。
すると、なぜかサカタは複雑そうな表情をしていた。
「…サカタ?」
「Aはさ…この薬、誰かに使うつもりなん?」
「…ん?」
「Aはそんなに好きな人がおるん?」
泣きそうなサカタ。
…いったいどんな勘違いをしているんだ?
「えっと、惚れ薬はただ単純に作ってみたかったから作っただけで、使うために作ったわけじゃないから…。逆にこの薬どうしよう。…ほしい?」
「いらんわ!!」
そう叫んだ後、サカタは安心したような呆れたような表情をする。
「いや、ならどうして惚れ薬なんて作ろうと思ったん?」
「惚れ薬って好きな人がいないと作れないって言われてるの。だから本当なのか知りたかったわけ」
「へー…、って!完成したってことはやっぱりA好きな人おるやん!?」
「…いや、そうじゃなくて…」
あほか…。
作れないって"言われてる"だけだから、難しいだけで作れるってことでしょ?
きっと。
「…これ、使ったらどうなるん?」
「えっとたしか…、薬を飲んだ直後に目があった人物を一日だけ盲目的に好きになる。だったはず」
「こわ…」
「作りたかったのよ」
「はあ…」
サカタが可哀想なものを見るような目でこちらを見つめてくる。
確かに危ないけど…。
やりたかったものはしょうがないんだ…。
「で、ほんまにこれどうするん?」
「ん〜…。先生に渡そうかな。きっと何とかしてくれるでしょ」
「せやな!んじゃ、はよ行こ!」
サカタは勢いよく薬が入っているガラスビンをつかみ、走って行こうとする。
そこまではよかったのだが、持つところがいけなかった。
「ちょっとサカタ、あんまり上持たないで。蓋取れる」
「え?大丈夫やろ。こんなん回したって…」
バシャ
「「あ」」
サカタがビンを振り回したせいで、中身が飛び出す。
そして、運悪くちょうど実験室に入ってきた生徒に思い切りかかってしまった…。
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神楽鈴(プロフ) - 〜QSY〜さん» ありがとうございます!更新待たせてしまってすみません!面白いと言っていただけるなんてとてもうれしいです! (2020年9月2日 22時) (レス) id: 2f04c6572f (このIDを非表示/違反報告)
〜QSY〜 - とても面白いです!更新頑張って下さい! (2020年8月23日 20時) (レス) id: ea2c7a99fe (このIDを非表示/違反報告)
サイダー - あ...() (2020年8月19日 12時) (レス) id: 94909bedb8 (このIDを非表示/違反報告)
いろみず@夢見月(プロフ) - 志麻君…頑張りなね (2020年7月25日 20時) (レス) id: be92b83ba0 (このIDを非表示/違反報告)
いろみず@夢見月 - 神楽鈴さん» 更新という行為が嬉しいんですよ!毎日投稿でも多分荒ぶってます←コメ返嬉しすぎるので祭りしてきますね。 (2020年6月25日 21時) (レス) id: be92b83ba0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:神楽鈴 | 作成日時:2020年4月25日 23時