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Diamond



「嫌だー…」



薬草園のちょっとした休憩スペース。

そこの椅子に座り、テーブルに頭をつけてただ嘆く。



「どうしたん?…大丈夫?」



目の前に座るセンラが声をかける。


センラから魔法薬学を教えて欲しいと言われてから、ここで私が教えている。

しかし、最近は私が苦手な教科はセンラが教えてくれるようになっていた。

実験のペースは減ったが、これはこれで悪くない。



「大丈夫じゃない…」



だが、今日は別。

もうすぐ魔法祭の予選が始まるからだ。

私はこの行事が苦手で、本当ならサボりたい。

ただ、今回は実験室の使用許可がかかっているため、下手に気を抜けない。

めんどくさい!



「センラは魔法祭楽しめるんでしょ?いいなあ、うらやましいよ」



「嫌みに聞こえるんやけど」



「気のせい気のせい」



「ほんま?ま、お互い頑張ろな」



「うーん」



「うわ、やる気なさそ」



今年は手を抜いたら怒られる。

私、それなりに魔力強いから本戦出場は余裕なんだよね…。

もう、いや…。



「そういえば、Aって最近実験室行かんようになったよな?」



「ああ、たしかに」



「なんでなん?」



最近忙しかったしなあ。

魔法祭の準備の前に、課題のレポートの作成とか、テスト対策の勉強とか。

…あいつどうしてるんだろ。

最近会ってないなあ。



「忙しかったのと、実験室に籠るのと同じくらい、ここにいるのも楽しいからかな」



「なんか、それは嬉しいなあ」



ふんわりと笑うセンラにつられ、私もなんだか笑ってしまう。

ほんと、センラといると調子狂うな。

あいつといるともっと狂うけど。

でも、悪くない。



「あ、しまった」



「どうしたん?」



「教室に忘れ物した。すぐ取ってくる」



「別にゆっくりでもええよ」



その声を背に、薬草園から出る。

はや歩きで進むが、やっぱり遠いので時間がかかってしまう。



「おい」



「え」



すると突然話しかけられる。

振り返ると、茶髪にエメラルドのような瞳を持つ小柄な男子生徒が立っている。

なぜか睨まれてる。



「お前がサカタとセンラになにをしたのかは知らない。だが、俺は絶対にお前の手から二人を助ける」



「は、はあ」



それだけ言うと、その生徒は去っていった。


なんだこれ?

宣戦布告ってやつ?

二人の知り合い?

それに助けるって…。

私なにもしてないんだけど…。

もしかして、ただの嫌がらせ?



☆→←☆



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神楽鈴(プロフ) - 〜QSY〜さん» ありがとうございます!更新待たせてしまってすみません!面白いと言っていただけるなんてとてもうれしいです! (2020年9月2日 22時) (レス) id: 2f04c6572f (このIDを非表示/違反報告)
〜QSY〜 - とても面白いです!更新頑張って下さい! (2020年8月23日 20時) (レス) id: ea2c7a99fe (このIDを非表示/違反報告)
サイダー - あ...() (2020年8月19日 12時) (レス) id: 94909bedb8 (このIDを非表示/違反報告)
いろみず@夢見月(プロフ) - 志麻君…頑張りなね (2020年7月25日 20時) (レス) id: be92b83ba0 (このIDを非表示/違反報告)
いろみず@夢見月 - 神楽鈴さん» 更新という行為が嬉しいんですよ!毎日投稿でも多分荒ぶってます←コメ返嬉しすぎるので祭りしてきますね。 (2020年6月25日 21時) (レス) id: be92b83ba0 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:神楽鈴 | 作成日時:2020年4月25日 23時

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