二十七章 ページ27
「えーっと、私が事故に遭ったのは、確か私の家の近くの交差点で………」
記憶を巡らせながら、乱歩さんに説明する。
「車に轢かれてからすぐ、魂だけ抜けたから…どこの病院に搬送されたのかは判らないです」
「じゃあ、君の家は?どこ?」
「ええと………」
私の家ー
お母様と、産まれてすぐ亡くなってしまったお父様と暮らした家………。
その場所くらい、判らないと………ちょっと親不孝すぎるよね?
それは判るんだけど。
「わ、判らないです」
家の場所も判らなくなってしまっていた。
けれども乱歩さんは頷く。
「なら、政府に問い合わせればいいよね。早速行こう」
「あ、駄目です」
善は急げと歩き出した乱歩さんを、慌てて引き止める。
きょとんとした乱歩さんは、じぃっと私を見つめてきた。
「そ、その…………私の家、ここにはないんです。県外でして」
「県外ぃ⁉」
うう、県外じゃ、流石の乱歩さんも判んないよね………。
もう泣きたい。
「否、それむしろ好都合だよ!」
乱歩さんはなぜか、県外だと聞く前よりも元気になっている。
「?」と首を傾げると、乱歩さんは人差し指を天に向かって突き上げた。
「君の今の情報ーここじゃ当てはまらなかったんだよね。だって、それだけの異能者がいるなら、この街で噂にならない訳がないもの。って云うか今気づいたんだけど、新聞見れば万事解決じゃん!事故現場の県が書かれてるはずだからね、全くなんで気づかなかったんだろう」
さっきの新聞を取り出すと、乱歩さんはザッと目を通す。
そして、一言。
「事故現場はー君が死んだのは、京都だ!」
………………………………え?
私、京都に住んでたっけ?
何か違う気がするんだけど………。
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茉里 - ありがとうございます!続編もじゃんじゃん更新しますので……よろしくお願いします! (2019年6月4日 19時) (レス) id: 0903b0c425 (このIDを非表示/違反報告)
ク レハ(プロフ) - 完結おめでとうございます!続編のほうも応援させていただきます!! (2019年6月4日 18時) (レス) id: ddd19fa939 (このIDを非表示/違反報告)
カゲロウ(白ヰ迷ヰ戌)(プロフ) - ええ!勿論です! (2019年6月3日 18時) (レス) id: 26ee7c4c14 (このIDを非表示/違反報告)
茉里 - 最後まで読んでくださってありがとうございました!新作書いたらまたよろしくお願いします! (2019年6月3日 17時) (レス) id: 0903b0c425 (このIDを非表示/違反報告)
カゲロウ(白ヰ迷ヰ戌)(プロフ) - 完結おめでとうございます! (2019年6月3日 17時) (レス) id: 26ee7c4c14 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:茉里 | 作成日時:2019年5月27日 21時