二十三章 ページ23
ーこれは、ピアノの音色のように澄んだ音を立てる、ある鈴の伝説。
昔、大宮蘭と云う、町で一番美しいと評判の娘がおりました。
蘭には愛する人がいました。先日婚約したばかりの、矢畑賢次郎です。
賢次郎の家は貧しく、百年もの歴史を持つ大宮家とは、誰が見ても不釣り合いでした。婚約の証に賢次郎が用意した物とは、ガラクタの鈴だったのです。
けれども蘭は呆れる事なく鈴を受け取り、ふわっと華が芽吹くように笑いました。賢次郎は蘭の優しさに涙したと云います。
誰もが2人を不釣り合いだと蔑みましたが、同時に仲睦まじい夫婦だと認めざるを得なくなっていました。
大宮家も、娘の幸せを願って、盛大に結婚式を挙げました。矢畑家には大宮家から“祝い”の品が送られ、両家の仲も深まっていきました。
しかし、不幸は起きます。
妻の蘭が、式の数日後、突然亡くなってしまうのです。
蘭は生前、心臓に病を抱えており、その病状が急変したとだと云います。あまりにも突然すぎる死でした。
『蘭!どうして、どうして死んでしまったんだい⁉僕は蘭しかいないんだ!こんなにも愛したいと思ったのは蘭だけだよ!蘭!蘭………っ』
賢次郎は嘆き悲しみ、婚約の証であった鈴を壊してしまいました。
魂だけとなった蘭は、賢次郎との唯一の繋がりである鈴を壊してしまった賢次郎に、怒りを募らせました。
そして、蘭はとある決意をします。
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茉里 - ありがとうございます!続編もじゃんじゃん更新しますので……よろしくお願いします! (2019年6月4日 19時) (レス) id: 0903b0c425 (このIDを非表示/違反報告)
ク レハ(プロフ) - 完結おめでとうございます!続編のほうも応援させていただきます!! (2019年6月4日 18時) (レス) id: ddd19fa939 (このIDを非表示/違反報告)
カゲロウ(白ヰ迷ヰ戌)(プロフ) - ええ!勿論です! (2019年6月3日 18時) (レス) id: 26ee7c4c14 (このIDを非表示/違反報告)
茉里 - 最後まで読んでくださってありがとうございました!新作書いたらまたよろしくお願いします! (2019年6月3日 17時) (レス) id: 0903b0c425 (このIDを非表示/違反報告)
カゲロウ(白ヰ迷ヰ戌)(プロフ) - 完結おめでとうございます! (2019年6月3日 17時) (レス) id: 26ee7c4c14 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:茉里 | 作成日時:2019年5月27日 21時