十四章 ページ14
「でもねぇ、主人は私のそばにいるの」
おばあさんは少しお茶を飲んで、息を吐きながら云う。
「いるはずなの。貴方はきっと、私の世界に存在するけど、この世にはいない人なんでしょ？つまりは幽霊よね」
嘘をつく必要はないので、素直に頷く。
すると、おばあさんはすがるように手を握ってきた。
「お願いよ！主人に会わせて頂戴」
「ええ？でも、もう昇天して、転生なさってるかもしれませんよ？」
「構わないわ！例え生まれ変わっていたとしても、彼の人は彼の人よ！」
「無理ですよ！転生したご主人に、私が視えるとは限りませんもん！」
声を荒らげると、おばあさんは空気が抜けた風船のように急に勢いを失って、「そうよね」と呟いた。
その姿が何だか可哀想で、私はつい云ってしまった。
「でも、できるだけの事はします」
「ありがとう！主人に会いたいの！」
再び手を握られて、「やっぱり無理です」とは云えなかった。
曖昧に頷いて、古本屋さんを出た。
「へえ？それで、僕にそのおじいちゃんの捜索をして欲しいと」
乱歩さんは面白そうに瞳を細める。
やっぱり頼れるのは……乱歩さんしかいなかった。
だって今のところ、私が視えるのって乱歩さんとおばあさんくらいだし。
「まあいいだろう！待ってなよ、今すぐ探して出してあげるから！」
乱歩さんは黒縁眼鏡をかけて、しばし黙考。
やがてーいきなり立ち上がると、「判った」とだけ呟いた。
「え？え？手がかりも何もないのに？」
戸惑う私に、乱歩さんはゆっくりと口を開く。
「おじいちゃんがいる場所、それはー」
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茉里 - ありがとうございます！続編もじゃんじゃん更新しますので……よろしくお願いします！ (2019年6月4日 19時) (
レス) id: 0903b0c425 (このIDを非表示/違反報告)
ク レハ(プロフ) - 完結おめでとうございます！続編のほうも応援させていただきます！！ (2019年6月4日 18時) (レス) id: ddd19fa939 (このIDを非表示/違反報告)
カゲロウ(白ヰ迷ヰ戌)(プロフ) - ええ！勿論です！ (2019年6月3日 18時) (レス) id: 26ee7c4c14 (このIDを非表示/違反報告)
茉里 - 最後まで読んでくださってありがとうございました！新作書いたらまたよろしくお願いします！ (2019年6月3日 17時) (レス) id: 0903b0c425 (このIDを非表示/違反報告)
カゲロウ(白ヰ迷ヰ戌)(プロフ) - 完結おめでとうございます！ (2019年6月3日 17時) (レス) id: 26ee7c4c14 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：茉里 | 作成日時：2019年5月27日 21時
