幹部 ページ5
千鶴side
井上さんに案内された部屋では新選組の幹部達が私を待っていた。
突き刺すようにな視線に身を固くする。
?「おはよう、昨日はよく眠れた?」
雪「...あ」
1番に声をかけてきた男の人、沖田さんだっけ。
雪「...寝心地は、あんまりよくなかったです。」
言葉を選ぶようにして答えると沖田さんはにやにやと笑って答えた。
沖「ふぅん。そうなんだ?さっき僕が声をかけた時には君起きてくれなかったけど?」
沖田さんの向かいにいる斎藤さんが呆れたようにため息を吐く。
斎「...からかわれているだけだ。総司はお前の部屋に行っちゃいない。」
その言葉に沖田さんを見やると彼は微笑んだまま斎藤さんに目を向け茶化すような口調で言う。
沖「もう少し君の反応を見てたかったんだけどな。ひどいよね一君も勝手にばらすなんてさ。」
雪「...ひどいのは沖田さんだと思うんですけど...?」
?「おいてめぇら、無駄口ばっか叩いてるんじゃねぇよ。」
そう話しているところを上座の左端に座っている男の人がぴしりと遮った。
雪(昨日副長って呼ばれてた人、土方さんだよね。)
土方さんの呆れ返った声が響くと沖田さんは肩口をすくめて口をつぐんだ。表情はにこにこしたままで。
?「でさ、土方さん。そいつが目撃者?」
幹部の中でも特に若そうな男の人が私を見た。
?「ちっこいし細っこいなぁ...。まだガキじゃんこいつ。」
雪(この人は多分藤堂さんかな?)
この部屋にくるまでの間に、井上さんから少し教えてもらった私はこの人が新選組最年少の幹部、藤堂さんだと思った。
?「お前がガキとか言うなよ平助。」
?「だな。世間様から見りゃ、お前もこいつも似たようなもんだろうよ。」
私は賑やかな2人組がいると聞いたのを思い出し、髪の短い方が永倉さんで、髪の長い方が原田さんかな?と予想した。
平「うるさいなぁ、おじさん2人は黙ってなよ。」
永「ふざけんなよこのお坊ちゃまが。俺らにそんな口聞いていいと思ってんのか。」
原「平助におじさん呼ばわりされるほど年くってねぇよ。新八はともかく俺はな。」
永「てめぇ...。裏切るのか、左之...。」
平「へへーん、新八っつぁん、図星されて怒るって大人気ねぇよなぁ。」
彼らは冗談のような口調で言い合いながらも視線だけはずっと私に注いでいた。
思わず俯いてしまった私にその人は穏やかな声色で話しかけた。
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咲耶(プロフ) - 薄桜鬼☆ハルハルさん» 完璧だなんてお恥ずかしい(///_///)ありがとうございます!よろしければ他の作品もよろしくお願いします! (2018年2月4日 18時) (レス) id: 5d27d89fab (このIDを非表示/違反報告)
薄桜鬼☆ハルハル - 話も面白いし、絵も上手い完璧すぎます!(≧∇≦) (2018年2月4日 15時) (レス) id: 5848c8507f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:咲耶 | 作成日時:2017年4月10日 20時