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家族 ページ39

私の生まれ故郷高月の里は森の奥深くにある小さな村でした。
父、母、兄と暮らし、父が村長を務め皆仲良く静かに暮らしていました。
東国で最も大きい雪村家を守ることが代々雨宮家の役目、私も幼い頃より兄と剣術を磨いていました。
母が神代の巫女という特殊な力を持った人で、瞳はその力が関係している。
私が8歳、千鶴様が4歳の時、人々により鬼狩りが行われ、雪村家を守る為父と兄は出ていき、私は母と村に残った。
しばらくすると里にも人間が入ってきて母は説得すると私の反対を押し切り出ていった所を殺された。
里には火が回り生き残るのも難しかった、でも必ず助けが来ると信じて戦い続けた。
斬って斬って斬って斬って...ただ目の前の人間を斬るしかなかった。
村人も散り散りになり、誰が生きているのかも分からない。
やっとの思いで雪村家についた、でも村は炎に包まれ、数え切れない人が倒れていた。
その中に父の姿を見つけ呼びかけても、もう返事はしてくれませんでした...。
兄「...咲耶か...?」
兄の声に離れた場所にいた兄に駆け寄り抱き上げた。
兄「よかった、生きて...たんだな。」
貴「兄さんこそ。」
兄「いや、俺は結構...やられちまった。...母さんは?」
息も途切れ途切れで話す事も精一杯な兄に力なく首を横に振る。
兄「...そっか。悪ぃな、助け...いけなくて。」
貴「そんなこと!兄さんお願い、もう話さないで。」
止まることなく赤黒い血が地面へ流れ広がる。
兄「父さんが、お前に...雪村の娘は生きてる、...だから、探して守り通してくれっ...て。」
貴「うん、うん!わかった!」
私が力強く頷くと兄さんは私の頬に手を当て笑った。
兄「それと、お前も...ちゃんと幸せ探せってさ。これは、俺や母さんの...願いでもあるから、よ。人を恨んで、復讐とか...考えるな。どんな事があっても...最後には笑えよ、咲耶。」
貴「いや、いやいやいや!死なないで、兄さん。私を...1人にしないで...!」
兄「バカ野郎、今頃わがまま言いやがっ、て。今まで1度も言った事、ねぇのに...。」
兄さんの頬に涙が伝う、私も耐えきれず涙を流した。
兄「ごめん、な。お前の初めてのわがまま、きいてやれ、ない。...お前はさ、俺が憧れだってよく言ってたけどよ、こんな情けない俺に...憧れんな。俺を超えろ...強く、強く生きろよ、咲耶。」
兄さんは笑って目を閉じた。
貴「...兄さーんっ!!」

それが家族との永遠の別れだった。

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咲耶(プロフ) - 薄桜鬼☆ハルハルさん» 完璧だなんてお恥ずかしい(///_///)ありがとうございます!よろしければ他の作品もよろしくお願いします! (2018年2月4日 18時) (レス) id: 5d27d89fab (このIDを非表示/違反報告)
薄桜鬼☆ハルハル - 話も面白いし、絵も上手い完璧すぎます!(≧∇≦) (2018年2月4日 15時) (レス) id: 5848c8507f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:咲耶 | 作成日時:2017年4月10日 20時

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