山南さん ページ14
外出許可を貰ったものの千鶴様は考えた末、大人しくしていることにした。
その為私も外出はしなかった。
貴｢...さて、今日は何をして過ごすか。｣
この半年というもの、最初こそ警戒をされていたけど段々と皆の雑用係として過ごしていた。
屯所掃除や食事の準備などの仕事をし、副長の許可が出て皆とご飯を食べることになった。
幹部の周りが中心だが一般の隊士と出くわすこともあり、日常会話を普通にできるようになった。
たぶん、幹部の小姓という認識だろう。
千鶴様が仕事をしているのを見つけ、信用されているんだな、と1人思ってみたり。
......暑い...。
何をしようかと考えても暑さのせいで何も浮かばない。
貴｢中庭にでも行くか。｣
風が吹き抜ける中庭は涼しい木陰に入れば快適な場所。
貴｢...。｣
暑さから逃げられると思った私の期待は見事に打ち破られた。
貴｢風ない。｣
ひたすらに陽光が眩しい。夏の蒸し暑い日には、吹く風だけが唯一の救いなのにな。
そんな事を考えていると目の端に見覚えのある背中を見つけた。
雪｢うーん。｣
貴｢綱道さんの事でも考えているんですか？｣
貴｢きゃああっ！｣
背後から話しかけたのが悪かったのか、千鶴様は声を上げて驚いた。
貴｢すみません、驚かすつもりはなかったのですが。｣
雪｢い、いえ！こちらこそ考え事をしていたので、すみません。｣
貴｢謝らないで下さい。...綱道さん、の事ですか？｣
雪｢はい、父様が何をしに屯所に来ていたのか考えていたんです。父様がここに来たのは数回という話で、新選組お抱えの医者だったならもっと高い頻度で来ていたはずですし...。｣
貴｢いまいちピンとこないんですね。｣
雪｢はい。...まさか、ね。｣
山｢何がまさか、なんですか？｣
雪｢わ、山南さん！起きて大丈夫なんですか？｣
山｢私が寝たきりの病人か何かのような言い方はよして下さい。何の問題もありませんよ。｣
山南さんは相変わらずの柔らかい声でいう。でもその口調は少しだけ刺々しい。
山｢もっとも、左腕は寝たきりですがね。｣
自虐的な微笑みを見て千鶴様は目を伏せた。
山南さんの怪我はまだ完治していない。と言うよりも、これ以上の完治がない。
貴(自分で自分を責めて、刀も握れない、役立たずとなった自分にイラついている。このままだと、この人は壊れてしまう。)
私は嫌な予感がしてならなかった。
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咲耶(プロフ) - 薄桜鬼☆ハルハルさん» 完璧だなんてお恥ずかしい(///_///)ありがとうございます！よろしければ他の作品もよろしくお願いします！ (2018年2月4日 18時) (
レス) id: 5d27d89fab (このIDを非表示/違反報告)
薄桜鬼☆ハルハル - 話も面白いし、絵も上手い完璧すぎます!（≧∇≦） (2018年2月4日 15時) (レス) id: 5848c8507f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：咲耶 | 作成日時：2017年4月10日 20時
