第6話伊吹くんの苦難 ページ7
「ひっ...くしゅん...!!」
盛大なくしゃみをして起きた龍之介、昨夜は浪士組に泊まり下子というのに酒を飲まされ皆と酔った勢いで雑魚寝をして、今に至った。
こいつらが目を覚まさないうちに、さっさと用事を済ませてこよう...
「おや?あなたは確か...」
前川邸の門前にいたのは、芹沢の使用人、平間重三である。
「芹沢って人に用があってきたんだが...」
「旦那様の部屋はこちらです」
平間に案内され入った部屋には、芹沢ともう一人の側近がいた。
「ほう、誰かと思えばあの死にかけの野良犬か」
野良犬呼ばわりをされ、龍之介は名前を叫んだが相手にされることはなかった。
「あんたのせいでもう少し生きなきゃならなくなった。一応礼は言っておく」
龍之介の素っ気ない言い方に側近、新見錦が睨んできた。
「なんだ今のは?犬ですら、一度受けた恩は忘れぬものだぞ。貴様は犬以下か」
「じゃあ、俺にどうしろって言うんだよ。まさか、下働きでもしろって言うのか?」
「まるっきり、物知らずと言うわけではないようだな」
馬鹿馬鹿しい...龍之介は、人に縛られることを何より嫌った。
自分は助けてなんて頼んだ覚えはないのに...
それを口に出した刹那、鼻先が畳の上にあったと思うと、体は投げ飛ばされていた。
「あの時、俺は貴様にこう尋ねたはずだ」
「生きたいか?とな」
「貴様はどう答えた?」
あの時、龍之介は必死だった。落ちた握り飯を芹沢の前で食べた。あれこそが、芹沢の問の答えになっていた。それを分かっている龍之介は、答えることが出来なかった。
「ようやく思い出したか?」
「くそっ!ただし、その恩返しとやらが済んだら、さっさとここを出ていかせてもらうからな‼」
こうして、龍之介は浪士組で半年間、過ごすことになった。
6話!多分、今のところ一番難しかったところだと思います。というか、これはちゃんと終わるんでしょうか...少し不安です...
恐らく、次には斎藤一君が登場します!
皆様、ここまで読んでくださり有り難うございます!
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。・★Tihiro★・。(プロフ) - 凄い面白いです!頑張って! (2016年1月7日 0時) (レス) id: 7f3f897855 (このIDを非表示/違反報告)
誠理 - とても素晴らしい!!これからもがんばってください!! (2014年12月28日 21時) (レス) id: e0f07ae67f (このIDを非表示/違反報告)
夢那(プロフ) - kouさん» 有り難うございます!まだまだ未熟ですが、頑張っていきます! (2014年8月27日 20時) (レス) id: 673bccbebe (このIDを非表示/違反報告)
kou(プロフ) - 作者さん文才ありすぎです!スクロールする手が止まりませんでしたww龍ちゃん可愛い♪これからも応援してます!! (2014年8月27日 19時) (レス) id: dbce7f75d9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:夢那 | 作成日時:2014年8月27日 10時