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17章『反転、穏やかな日々』5 ページ27

「お?リリシア、なんか落っこったぞ」
床に箱が叩きつけられるか、という瞬間、箱をすくい上げるように風が吹いた。声のした方をリリシアが向くと、小箱を手のひらに乗せたカーティスがニコニコ笑っているのが見えた。その隣には、もうすっかりいつもの優美さを取り戻したマリーも立っている。

「あ、ありがとうございます!」
手首を離そうとしないヘレンごとカーティスに駆け寄り、リリシアはチョコレートの小箱を受け取った。さっきと引っ張る側と引っ張られる側が全く逆になる。「リリシアも意外と力強いね…」とガイアが呟いた。

「これって、オニュクス寮のチョコだろ?めっちゃ美味いって有名なんだよ」
リリシアの手に小箱を握らせながら、カーティスが言う。その言葉に手に持ったチョコとカーティスの顔を三往復ほど交互に見てから、リリシアは「え!?」と声をあげた。そのリリシアの様子にマリーとカーティスが揃って顔を綻ばせる。

リリシアの頭を料理が並んでいるテーブルの方に向かせながら「リリシア、あっちに箱に入ったドロップクッキーと、赤と青緑のロリポップキャンディーが見えるだろ?」とカーティスは言う。見れば、朝食コーナーの隣にはアレキサンライス寮の宝石であるアレキサンドライトの色をした箱と、同じ色のロリポップが置いてあるのが見えた。

「あれは、アレキサンライス寮の生徒なら誰でも自由に部屋に持って行って食べられる、寮限定の菓子なんだ。で、他の寮にもそれぞれに寮オリジナルの菓子があって、中でもオニュクス寮のビターチョコは最高に美味いって評判でさ。あのチョコが毎日食べられるんだったら、オニュクスに入るのも悪くないかも…って冗談だぜ、マリー?」
甘いものが好きなのか、いつになく目を輝かせて語るカーティス。だが、オニュクスに入るのも悪くない、という辺りでマリーにジロリと睨まれて焦ったのか、急に早口になる。

「と、とにかく滅多に手に入らないんだ。何処でこれを手に入れたんだ?」
ずいっと顔を寄せてくるカーティスは、よほどこのチョコが好きなのだろう。若干体を仰け反らせてチョコの箱を盾にしつつも、医務室から出た時の出来事をリリシアは伝えた。気づけばジェシカやガイアも隣に立ってリリシアの話を聞いている。

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設定タグ:魔法使い , 魔法学校 , 明咲こより   
作品ジャンル:ファンタジー, オリジナル作品
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明咲こより - 美坂るぅさん» 了解致しました。 (2017年2月5日 14時) (レス) id: 67d07cb40f (このIDを非表示/違反報告)
美坂るぅ(プロフ) - 明咲こよりさん» そうですね、消しておきます。どうやらコメ欄とボタンの色がコピーできていないようですので、ひつようならよろしくお願します。 (2017年2月5日 14時) (レス) id: a41f8e5530 (このIDを非表示/違反報告)
明咲こより - 美坂るぅさん» できました!画像が重なってしまっているのは、自分で調べて直します!作成して下さり、本当にありがとうございました。それから、パスワードが書いてあるコメントは消去した方が宜しいのでしょうか? (2017年2月5日 14時) (レス) id: 67d07cb40f (このIDを非表示/違反報告)
美坂るぅ(プロフ) - 明咲こよりさん» 了解です。 (2017年2月5日 13時) (レス) id: a41f8e5530 (このIDを非表示/違反報告)
明咲こより - 美坂るぅさん» 申し訳ありません…urlを入れているのですが、画像が表示されません。もう少し試してみますので、少々お待ち下さい。 (2017年2月5日 13時) (レス) id: 67d07cb40f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:明咲こより | 作者ホームページ:http:/  
作成日時:2017年1月2日 19時

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