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「…あ、オマエ小さい頃から誰かに似てると思ってたけどやっと思い出した。
沖縄で会ったガキンチョだ。なんだっけ名前、翔クンだったかな?」
「…誰ですかそれ。」
「Aのことがだーいすきなクソガキ!」
「はぁ。そいつに似てるんですか。あんたにクソガキと言われる筋合いはないですけど。」
「ほらこういうとこ。…ハハ!懐かしいな、見れば見るほど似てんだけど、ウケる。」
だから何だよと言いたい。
五条さんは懐かしむような目をして、俺を通して何かを見ている。
Aが大好きな、ということは否定しないけど、そういうやつが他にもいると思うとあまり気分は良くない。
懐かしむ様子を見るに高専にはいない。つまり非術師だと思う。
だったら俺もAも今後会う事はない。
沖縄と言ってたし。
なら別に嫉妬する必要もないけど。
「…なーんでAはこんなに人気なのかなぁ?魅了スキルでも持ってんの?どう思う?恵〜。」
「知りませんよ。誰が好きになろうがどうでもいいし。どうせ誰も選ばれない。あんただって。だったらそのままが一番いい。」
「ククッ、それはどうかな。」
「自分が選ばれると思ってるんですか。」
「うん。」
組手をしながら会話を進めていたけど五条さんが満面の笑みで肯定するから、ついピタリと手を止めた。
そんな俺を見て五条さんも手を止めた。
笑みを浮かべたまま「あれ、もう休憩?」と白々しく首を傾げてる。
…おめでたい人だな。
あのAが、よりにもよって五条さんなんかを選ぶわけないだろ。
「…夏油さんならともかく。」
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にゃーちゃん - 尊いです…!!!!面白過ぎて一話から一気読みしちゃいました(*´ω`*)更新頑張ってください!楽しみにしてます! (2022年8月8日 10時) (レス) @page35 id: e862c91e4d (このIDを非表示/違反報告)
みゆ(プロフ) - 紅蘭さん» ありがとうございます!なかなか更新出来ていませんが頑張ります( •̀ω•́ )و (2022年7月28日 23時) (レス) id: c9709ff1e2 (このIDを非表示/違反報告)
紅蘭 - 長く続いでますね〜!頑張ってくださーい (2022年7月21日 23時) (レス) @page27 id: cf67288c4e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みゆ | 作成日時:2022年6月25日 18時