今度の審神者は超怖がりでした《参》 (ページ7)

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腰がいかれましたページ7

『死にそうな主を介護してください』

｢どうした？大将｣

『鶴さんにひょっこりはんされて死にかけました』

｢あぁ･･･そりゃ災難だったな｣

『俺が怖がりでビビりだから余計に調子こいとる彼奴』

この前まで鬼のお面だったのに今日はおかめだったよ。ほんと、何なのもー。完全なる標的にされてるんだけど。

『なんと俺、腰イッちゃってさ･･･。立ち上がれないのだよ。まだ10代よ？ワシ。この歳で立てないってどういうことですか』

薬研兄さんと話している今も仰向けの大の字で床に転がっている。だから兄さんは覗き込んで俺を見ている。この謎の状態。
驚かされたのは廊下だった。今いるのは薬研兄さんの部屋。薬を作ってもらってるところだ。
動けないのにどうやってきたか？それはだな。

『自衛隊みたいに這って来たんだよ。ワニの全身みたいな』

｢ほふく前進の事か？｣

『多分それ。頑張ったよね俺。結構な距離だよ』

｢そんなんで俺の部屋にわざわざ来たのか。叫んでくれれば助けに行ったのに｣

『まぁ確かにホラーだけどさ、ホラーで怖いんだけどさ。叫ぶ気力もなかったから』

俺はその時貞子さんみたいになっていた･･･そんな気がする。テレビからこんにちはしてきた貞子さんのようにゆっくりと移動してきたのだ。

『途中で誰かが悲鳴あげてたんだよね。カネさんさんだと思うけど』

｢そりゃあんな格好でこられたら怖いよな｣

ごめん、カネさんさん。悪気は0なのだ。許しておくれ。悪いのは全て鶴さんだから。鶴さんにぶつけていいから。

｢大将、この薬飲んだらどうやって帰るんだ？｣

薬研兄さんは笑いながら俺に問う。

『ほふく前進ですが･･･何か？』

｢誰かに踏まれないように気をつけろよ？特に三日月の旦那｣

はっ！そうじゃった。そうじゃった。あのおじいちゃん、縁側で干からびていた俺の上に座った経験があった！やばい、やばしやばし。もし腰の上に乗られたらゲームオーバーである。

｢もし痛けりゃいち兄の背中に乗ってけよ｣

『いや、一期兄さんをパシリにすることは出来ぬ』

｢呼びましたかな？｣

一期兄さんがいきなり、襖を開けて登場。
当然俺は驚く。

『ぉおおおっ！！･･････ん”っ！！』

バキッ！
やばい、腰･･･腰が･･･。

｢｢！？｣｣

俺はその後いち兄の背中に乗り、審神者の部屋まで送られた。